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グリーンイグアナ(Iguana iguana)の分類 Iguanidae
グリーンイグアナ(Iguana iguana)の概要 Iguana

グリーンイグアナ(Iguana iguana)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Iguana iguana (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

最大全長:約雄 180 cm、約雌 150 cm

参考文献

  • 海老沼剛 2004 グリーンイグアナ, 海老沼剛(著) 爬虫・両生類ビジュアルガイド:トカゲ①アガマ科&イグアナ科. 誠文堂新光社. 69.
  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

分布

石垣島ほか、西インド諸島などに分布する。アメリカ合衆国にも移入定着している。
原産地はメキシコからパラグアイ、ボリビア、小アンティル諸島まで。

参考文献

  • 爬虫・両生類ビジュアルガイド:トカゲ 2004 グリーンイグアナ, 海老沼剛(著) 爬虫・両生類ビジュアルガイド:トカゲ①アガマ科&イグアナ科. 誠文堂新光社. 69.
  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

亜種・品種

2亜種が記録されているが、亜種間に明確な特徴はなく、有効性を疑問視する説もある。

参考文献

  • 海老沼剛 2004 グリーンイグアナ, 海老沼剛(著) 爬虫・両生類ビジュアルガイド:トカゲ①アガマ科&イグアナ科. 誠文堂新光社. 69.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

分類学的位置付け

有鱗目 トカゲ亜目 イグアナ科 イグアナ属

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-11-25 ハリリセンボン

人間との関係

有鱗目 トカゲ亜目 イグアナ科 イグアナ属

参考文献

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

形態

成体の形質

背面中央部の後頭部から尾端までタテガミ状の鱗があり、タテガミは後部へ向かい短くなる。四肢は太くがっしりしており、指は長く爪は鍵型である。耳孔の下に大きな丸い鱗が左右にある。下顎の中央に縦長の大きなヒダをもつ。背面は全体に灰緑色だが、産地により緑色から錆色まで色彩変異がみられ、尾には暗色の環状横帯がある。

雄のタテガミ状鱗は長く、肩上では約 5 cmに達するが、雌は約 1 cmと短い。耳孔下の丸い鱗は雄では大きく、雌は小さい。後肢の内側に雄は、足の付け根から第2関節に向かって三角の大きな鱗が1列に並ぶ。しかし雌にはこの鱗がない。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

幼生の形質

幼体は明るい緑色に青い模様があるが、成熟に従って褐色を帯びる。

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 グリーンイグアナ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 70.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

卵の形質

卵は白色の楕円形で、卵殻は皮革状で弾力がある。卵のサイズは長径約 35 mm、短径約 25 mmである。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

ドミニカグリーンイグアナ(Iguana delicattisima)

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 グリーンイグアナ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 70.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

生態

生息環境

熱帯雨林の樹上に主に生息するが、地上でも活動する。水辺の樹枝に多く、天敵などに驚くと水中へ飛び込み逃げる。水中に潜ることや、遊泳も尾の推進力で優れている。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

食性

餌は雑食性だが、幼児期は肉食性が強く昆虫などをよく捕食する。成長するに従い植物食の傾向が強くなる。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

活動時間帯

昼行性で、夜間は樹上の茂みや地上の穴などに潜る。石垣島では、砂の斜面に穴を掘り夜間を過ごす例も見られる。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

生殖行動

国内では12月中旬より交尾期に入る。繁殖期は生息地によって多少異なる。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

産卵

2~4月に産卵する。石垣島では、林内の日当たりの良い砂地に穴を掘り産卵する。1回の産卵数は25~50個、孵化日数は約60日である。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

その他生態

縄張り意識が強く、雄同士では四肢を引っ張り体を持ち上げ、体の側面を相手に向ける。そして下顎のヒダを広げ、頭を上下に振り奮起音を出して威嚇し、ときには長い尾を振り相手に当てて攻撃する。最終的には鋭い鍵爪で組み合い、体を立ち上げて咬みつき、相手を力任せにねじ伏せる激しい闘争を行う。歯は鋸歯で顎の力も強く、まともに咬まれるとひどい裂傷を負う。逃走時、短い距離であれば後肢のみで立ち、2本足走行も行う。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

関連情報

その他

グリーンイグアナの幼体は小さくて見た目もよく、飼育が容易である。かつては大量に輸入されることで安価だったため、大量に幼体が販売されてきた。しかし、実際には飼育の不備や成長過程のケアの無知から、そのほとんどが幼体のうちに死亡しているのが実態である。

ある程度の飼育知識を持つ飼い主が育て、幼体のうちに死亡しなかった個体も急激に大きくなり、さらにそのケアのミスにより気が荒くなってしまう。頭胴長が約 30 cmを超えた時点でほとんど手に負えなくなり、その結果逃亡したり遺棄された個体がマスコミを幾度も賑わすことになった。そのため一般のペットとしては不向きな動物である。

沖縄の石垣島では、増殖目的に買われた多くの個体が事業の失敗から放置され、逃げ出し、それらの個体が自然下で増殖している。今のところ、自然増殖が確認されたエリア内に競合する動物は見当たらない。環境省による調査捕獲もされており、これ以上の広がりを見せていないが、安易に飼育増殖を行う弊害のよい実例となっている。

参考文献

  • 高田榮一・大谷勉 2011 グリーンイグアナ, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. 100₋101.

最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン

種・分類一覧