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ヒメジ(Upeneus japonicus)の分類 Mullidae
ヒメジ(Upeneus japonicus)の概要 Upeneus

ヒメジ(Upeneus japonicus)

【 学名 】
Upeneus japonicus (Houttuyn, 1782)

基本情報

大きさ・重さ

成魚全長:15 ㎝

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最終更新日:2020-08-11 En

分布

北海道以南の日本近海、台湾に分布。

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和名の解説

赤い魚体から「緋女魚」「姫魚」「遊女魚」などの意味と推察されている。なお「ジ」は魚名語尾。

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別名・方言名

オギノジョウ(新潟)、キンギョ(千葉県銚子)、ヒメ(東京)、オキノジョロ(富山)、アカイオ(福井)、コイ(三重)、シメチ(和歌山)、キンタロウ(山口県下関)、オキメンドリ(宮崎)、カタカシ(沖縄)

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分類学的位置付け

ヒメジ科。学名は従来 Upeneus bensasi が使われていたが、Randallら(1993)によって Upeneus japonicus が用いられた。

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人間との関係

季題は<冬>
「湾曲の 潮目したたる ひめじかな 井上多香」
「覗きみる ひめじ生簀の 冬探し 磯部美代子」

『和漢三才図会』に「思うに、血引魚の形は鯔に似ていて、大きなもので二、三尺。全体は深赤色。肉も血のような色をしている。味は美くない。それで血の色を悪んでこれを食べる人は少ない」とあるように、かつての日本では、本種を含むヒメジ類を好んで食べることのなかったようだが、ヨーロッパではこの仲間を贅沢品として珍重していたという。

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形態

成魚の形質

ヒメジ属 Upeneus は歯が絨毛状で、両顎の他に前鋤骨(ぜんじょこつ)や口蓋骨にもあること、第2背鰭と臀鰭の基底前半が小さな鱗で覆われること、側線鱗が31〜41枚であることによって、ヒメジ科の他の属から区別される。
ヒメジは背鰭の棘が7本あることで、8本ある同属の他種と区別できる。眼前鱗があるのはヨメヒメジと本種のみ。

体は赤く、尾鰭の上葉に2〜4本の赤色帯がある。背鰭にも3〜4本の赤色縦帯がある。尾鰭や背鰭の縦帯が赤色なのが本種の特徴で、ほかのヒメジ類では暗褐色〜黒色である。
髭は黄色。腹膜は褐色〜暗褐色。一般にヒメジ類は砂の上で休んでいる時や夜間は、普段と色彩や斑紋が著しく異なることが多い。ヒメジではやや不明瞭な3〜4の赤色の横帯が現れる。ときには赤みが強くなり、赤白のまだら模様になることもある。

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生態

生息環境

沿岸の砂底、砂泥底に生息する。

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食性

下顎に一対の味蕾を備えた髭があり、この髭で砂泥中のゴカイ類や甲殻類などの底生動物を見つけて食べる。

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関連情報

漁獲方法

底引網などで漁獲され、かつてはかまぼこの材料、干物とするほど大量に水揚げされていた。

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味や食感

水揚げされてから数時間以内のものが最高とされており、生きているものをその日のうちに調理したい。
淡白な味を生かして天ぷら、フライ、味噌漬けなどいろいろ楽しめるが、冬期の煮付けはとくにうまいとされている。

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種・分類一覧