- 解説一覧
- ヒメジ(Upeneus japonicus)について
基本情報
- 別名・方言名
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オギノジョウ(新潟)、キンギョ(千葉県銚子)、ヒメ(東京)、オキノジョロ(富山)、アカイオ(福井)、コイ(三重)、シメチ(和歌山)、キンタロウ(山口県下関)、オキメンドリ(宮崎)、カタカシ(沖縄)
参考文献
最終更新日:2020-08-11 En
- 分類学的位置付け
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ヒメジ科。学名は従来 Upeneus bensasi が使われていたが、Randallら(1993)によって Upeneus japonicus が用いられた。
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- 人間との関係
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季題は<冬>
「湾曲の 潮目したたる ひめじかな 井上多香」
「覗きみる ひめじ生簀の 冬探し 磯部美代子」
『和漢三才図会』に「思うに、血引魚の形は鯔に似ていて、大きなもので二、三尺。全体は深赤色。肉も血のような色をしている。味は美くない。それで血の色を悪んでこれを食べる人は少ない」とあるように、かつての日本では、本種を含むヒメジ類を好んで食べることのなかったようだが、ヨーロッパではこの仲間を贅沢品として珍重していたという。
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形態
- 成魚の形質
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ヒメジ属 Upeneus は歯が絨毛状で、両顎の他に前鋤骨(ぜんじょこつ)や口蓋骨にもあること、第2背鰭と臀鰭の基底前半が小さな鱗で覆われること、側線鱗が31〜41枚であることによって、ヒメジ科の他の属から区別される。
ヒメジは背鰭の棘が7本あることで、8本ある同属の他種と区別できる。眼前鱗があるのはヨメヒメジと本種のみ。
体は赤く、尾鰭の上葉に2〜4本の赤色帯がある。背鰭にも3〜4本の赤色縦帯がある。尾鰭や背鰭の縦帯が赤色なのが本種の特徴で、ほかのヒメジ類では暗褐色〜黒色である。
髭は黄色。腹膜は褐色〜暗褐色。一般にヒメジ類は砂の上で休んでいる時や夜間は、普段と色彩や斑紋が著しく異なることが多い。ヒメジではやや不明瞭な3〜4の赤色の横帯が現れる。ときには赤みが強くなり、赤白のまだら模様になることもある。
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生態
関連情報
- 味や食感
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水揚げされてから数時間以内のものが最高とされており、生きているものをその日のうちに調理したい。
淡白な味を生かして天ぷら、フライ、味噌漬けなどいろいろ楽しめるが、冬期の煮付けはとくにうまいとされている。
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