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コブダイ(Semicossyphus reticulatus)の分類 Labridae
コブダイ(Semicossyphus reticulatus)の概要 Semicossyphus

コブダイ(Semicossyphus reticulatus)

情報不足種 (DD)

【IUCN】評価するだけの情報が不足している種

【 学名 】
Semicossyphus reticulatus (Valenciennes, 1839)

基本情報

大きさ・重さ

成魚全長:1 m

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最終更新日:2020-07-01 En

分布

下北半島、佐渡以南(沖縄県を除く)、朝鮮半島、南シナ海に分布。

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和名の解説

成長したオスの両眼間の前頭部に大きなこぶがあることから。

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別名・方言名

カンダイ(東京、神奈川県江ノ島)、ムクジ(能登、石川県七尾)、モクズ(富山県魚津・新湊・四方)、デスコベ(和歌山)、エビスダイ(兵庫県明石)、モブセ(広島)、ノムス(福岡)、ナベクサラシ(長崎)

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分類学的位置付け

かつてはオスをコブダイ、メスをカンダイと呼び、別種に分類した。

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形態

成魚の形質

成長したオスは前額部がこぶ状に突き出し、下顎も著しく厚くなる。
若魚はタキベラ属の魚に似ているが、タキベラ属は側線鱗数が28〜48なのに比べて、本種の側線鱗数は42〜50と多く、背鰭と臀鰭の基底に鱗鞘がないことで区別できる。

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稚魚・仔魚・幼魚の形質

幼魚は体側に1白色縦帯、胸鰭を除く各鰭に大きな黒斑がある。成魚は全身がくすんだ赤紫色だが、幼魚は体色がオレンジ色で、体側中央部に白帯が走る。

体長 10.6 ㎜の稚魚の体は、細長く側扁する。体高は体長の24%に相当する。尾柄部はやや長くて高い。肛門は体中央より後方に位置する。口は小さく斜位で、吻はやや尖る。
頭長は体長の38%を占める。眼はやや大きく、眼径は頭長の24%。
すべての鰭条が定数に達しているが、背鰭棘と腹鰭はまだ短い。背鰭は胸鰭基底のやや後方から始まり、棘条と鰭条が低く連なる。前鰓蓋骨の後縁はなめらか。
眼の後方から鰓蓋後端にかけて黒色素縦列がある。体側には3列の不規則な黒色横帯があり、それらは腹部、臀鰭軟条始部直上の体側部および尾柄部に存在する。
背鰭第10棘〜第3軟条および臀鰭第1〜5軟条の鰭膜には、円形の黒色素斑が認められる。

体長 24.0 ㎜の個体では、眼の後縁から尾鰭基部にかけての体側中央に走る白色縦帯と、これをはさむ断続的な黒色縦帯が比較的顕著である。このほか、体背面では体背側の黒色縦帯と連なる3横帯があり、臀鰭基底部には尾鰭基部に連なる黒色縦帯が、また、尾鰭基底部にはやや狭い横帯がそれぞれ認められる。
背・臀鰭軟条前部に見られる楕円形の大黒色素斑が特徴的である。

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生態

生息環境

日本海や瀬戸内海に多く、海藻の茂る沿岸の岩礁とその周辺に生息する。

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食性

肉食性で、貝類・甲殻類などのかたい餌を好む。

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産卵

産卵期は春。雌雄が円を描くようにして海面へ上昇し、産卵・放精する。

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関連情報

漁獲方法

釣りの対象魚となる。

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味や食感

肉は白身で柔らかく、かなりうまい。フライにするとよい。
磯臭さが強い夏は、3枚におろしたあと味噌漬けにし、焼いて食べる。磯臭さが抜ける冬には、新鮮なものを刺身にする。

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種・分類一覧