- 解説一覧
- シマアジ(Pseudocaranx dentex)について
シマアジ(Pseudocaranx dentex)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Pseudocaranx dentex (Bloch & Schneider, 1801)
基本情報
- 分布
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東北地方以南、中部太平洋〜インド洋、大西洋の温帯・亜熱帯域に分布。
参考文献
- 木村清志 1997 , 水野信彦(監修) 川那部浩哉(編) 日本の海水魚. 山と渓谷社. 324.
最終更新日:2020-06-30 En
- 和名の解説
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①体の中央部に黄色の縦帯があることから。
②黒潮の影響の強い沿岸や島々の周辺で多く取れることから。
参考文献
- 望月賢二 2005 , 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. 213.
最終更新日:2020-06-30 En
- 別名・方言名
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オオカミ(東京)、ソジ(和歌山県串本)、コセアジ(高知)、アブラカマジ(奄美)、ヒラアジ(熊本)、カツオアジ(鹿児島)、オーガシ・ソウジ(沖縄)
参考文献
- 望月賢二 2005 , 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. 213.
最終更新日:2020-06-30 En
形態
- 成魚の形質
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体は側扁し体高が高い。体高は体長の約3分の1。
背鰭は2基で第1背鰭は第2背鰭より高く、第2背鰭と臀鰭の後ろに小離鰭はない。
第1背鰭は8棘、第2背鰭は1棘23〜26軟条。
臀鰭は1棘21〜23軟条で臀鰭の前に2本の遊離棘がある。
側線は円く弧を描いた後、第2背鰭の中・下方付近から直線になる。この直線部には25〜31枚の稜鱗が発達する。
両顎に円錐形の歯が1列に生えている。体の背部は暗青色、腹部は白色で、生時には体側の中央部に吻から尾柄部まで黄色の縦帯が走る。この黄色縦帯は老成すると不明瞭になる。
参考文献
- 真木ほか 1997 , 真木長彰、寺島裕晃、中村晢美(著) 阿部宗明、本間昭郎(監修) 山本保彦(編) 現代おさかな辞典. 株式会社エヌ・ティー・エス. 110.
最終更新日:2020-06-30 En
- 卵の形質
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直径 0.9〜1.0 ㎜の分離浮性卵。
参考文献
- 真木ほか 1997 , 真木長彰、寺島裕晃、中村晢美(著) 阿部宗明、本間昭郎(監修) 山本保彦(編) 現代おさかな辞典. 株式会社エヌ・ティー・エス. 110.
最終更新日:2020-06-30 En
生態
- 生息環境
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岸近くから水深 200 mまでの中下層に位置する。
昼行性で、夜は頭部を斜め下に向けて、ゆっくりと遊泳。
参考文献
- 望月賢二 2005 , 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. 213.
最終更新日:2020-06-30 En
- 食性
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魚類やイカ類を食べるが、口を伸長させて砂底を掘るので、ほかに底生生物も食べると思われる。
参考文献
- 望月賢二 2005 , 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. 213.
最終更新日:2020-06-30 En
- ライフサイクル
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産卵期は水温が20℃前後に降下する時期。
孵化直後の仔魚は全長 2〜3 ㎜で、頭部腹面に楕円形の卵黄がある。
孵化後50日ほどで孵化直後の約10倍の大きさに成長し、成魚に似た体形となる。
仔稚魚は流れ藻などに付いて成長し、生後1年で 18 ㎝前後 170 g、2年で 30 ㎝前後 800 g、3年で 40 ㎝前後 2 ㎏、4年で 45 ㎝前後 3 ㎏に達する。
生後3〜4年で体重が 2〜3 ㎏に達すると成熟個体となる。
雌雄で成長に顕著な差は見られない。
参考文献
- 真木ほか 1997 , 真木長彰、寺島裕晃、中村晢美(著) 阿部宗明、本間昭郎(監修) 山本保彦(編) 現代おさかな辞典. 株式会社エヌ・ティー・エス. 110-112.
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関連情報
- 漁獲方法
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本州中部以南や八丈島方面で多く漁獲される。
漁法は刺網、定置網、釣りなど。
参考文献
- 望月賢二 2005 , 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. 213.
最終更新日:2020-06-30 En
- 味や食感
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新鮮なものは刺身がよく、やや厚切りにすると程よい甘みと歯ごたえを楽しめる。
ほかに焼き物や、煮付けにしてもよく、その場合必ずぜゼンゴ(稜鱗)を取っておく。
アジ類のなかで最も美味とされ、高級魚として扱われる。一般の魚屋に出回ることは少なく、料亭や寿司店で刺身や寿司ダネなどとする。
参考文献
- 望月賢二 2005 , 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. 213.
最終更新日:2020-06-30 En
- その他
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現在は伊豆諸島をはじめ各地で養殖が行われるが、天然物とは体色が違い、体形も太めである。
参考文献
- 望月賢二 2005 , 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. 213.
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