- 解説一覧
- イシカリワカサギ(Hypomesus olidus)について

基本情報
- 大きさ・重さ
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全長:15 cm
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
- 分布
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国内では北海道のみに分布する。
国外では、ピーター大帝湾、朝鮮半島、沿海州、サハリンからアラスカ、カムチャッカ半島、カナダ西部までに分布する。
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
- 猿渡敏郎 2018 イシカリワカサギ(ワカサギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 124.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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サケ目 キュウリウオ科 ワカサギ属
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
- 猿渡敏郎 2018 イシカリワカサギ(ワカサギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 124.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
形態
- 成魚の形質
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腹鰭起点は背鰭起点のやや前方ないし直下に位置し、気道管はうきぶくろの前端からやや後ろ下方に連絡する。
鼻孔の皮弁がよく発達している。ワカサギと比べて吻端が丸い。
全体の色調はワカサギよりも暗色である。
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
- 猿渡敏郎 2018 イシカリワカサギ(ワカサギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 124.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
- 卵の形質
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直径 1 mm前後、付着膜をもつ沈性付着卵である。
参考文献
- 猿渡敏郎 2018 イシカリワカサギ(ワカサギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 124.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
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北海道では川の下流域に連なる湖沼・河跡湖・支流に生息し、降海例は知られていない。
サハリンでは潟や内湾の沿岸に降海し、アムール川流域では双方が見られる。
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
- 食性
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サハリンの沿岸では、体長 10 cmくらいまではかいあし類を主な餌とするが、以後はヨコエビ類やアミ類、等脚類などの底生甲殻類を摂餌する。また、ニシンの産卵期にはその卵も食べる。
石狩古川では、季節により落下した陸生昆虫や小魚も餌となる。
摂餌は日中に行われ、夜は休止する。
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
- ライフサイクル
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孵化直後の体長約 5 mmの仔魚は、石狩古川の場合5月下旬には平均 17 mm、10月中旬には 57.3 mmに達して、翌年春には成熟する。サハリンでは、孵化の翌年7月に体長が平均 37 mmになって降海し、同年8月には湾の沿岸に姿を見せる。
降は主に夜間行われるが、その群れの大きさは幅約 2 m、長さ数 十 mに及び、川を下る様子は孵化場から放流されたサケ稚魚の場合によく似ている。
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
- 産卵
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産卵期は、北海道では4月中旬~下旬、サハリンでは5月下旬~6月上旬で、水温が7~10℃の頃に盛期となる。
産卵場は湖の沿岸やこれに連なる水路で、水通しがよく、水深は 1 m以浅の場所が多い。
親魚の年齢は、石狩古川では満1~2歳、サハリンでは満3歳魚が大半を占め、4歳魚が2~3割のほか、5~6歳魚も少々交じる。
体内卵数は480~3万5000粒である。
卵は水草や草木の根、底質の砂粒に産み付けられる。水温9.7~11.3℃で、約18日で孵化する。
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン
- その他生態
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夏のサハリン沿岸には体長 9~11 cmの2歳魚が優先している。これらは9月にいったん流入河川の下流域に遡上して11月まで淡水に滞在する。このときの群れの密度は 1 ㎡に数千尾にも達する。この間餌は摂らず、以後12月中旬には再び湾にもどって越冬する。
産卵のための回遊は解氷期に始まり、大きな川では 70 kmもの距離を遡上して4月下旬~5月上旬には産卵場の湖に到達する。産卵後の群れは7月上旬には下流へ回遊する。
夏のサハリン沿岸では、産卵を終えた3~4歳の親魚がアメマスとキュウリウオの胃内容物から見つかるほか、イトウにも捕食されている。これら3種類に捕食される量は資源量の39%を占めることがある。
参考文献
- 伊藤和雄 1989 イシカリワカサギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 64.
最終更新日:2020-08-20 ハリリセンボン