- 解説一覧
- Carinotetraodon travancoricusについて
Carinotetraodon travancoricus
【IUCN】絶滅の危険が増大している種
- 【 学名 】
-
Carinotetraodon travancoricus (Hora & Nair, 1941)
基本情報
- 大きさ・重さ
-
・成魚全長:2.5~4 ㎝
・卵の大きさ:1 ㎜程
参考文献
- 2009 ザ・フグ - 書籍全体, 新川章(著) ザ・フグ. 誠文堂新光社. .
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 生息状況
-
IUCNによってVU(絶滅危惧Ⅱ類)に指定されている(2019年)。
本種は生息地におけるダム開発や見境のない森林破壊とそれに伴う農業プランテーション化、およびアクアリウムのための乱獲により個体数を減らしている。
参考文献
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 学名の解説
-
種小名は、本種の分布域であるインド南西部ケララ(Kerala)州のトラヴァンコール(Travancore)という地名(旧藩王国)に由来する。
参考文献
- 2009 ザ・フグ - 書籍全体, 新川章(著) ザ・フグ. 誠文堂新光社. .
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 分類学的位置付け
-
本種は2018年にミトコンドリアゲノムを解析され、近隣接合法に基づいてほかのフグ科魚類と系統解析を行われた。その結果、 Tetraodon nigroviridis とのブーストラップ値が88%となった。
参考文献
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 人間との関係
-
アベニーパファーが登場する前(1994年ごろには、すでに入荷していたらしい)、日本の熱帯魚ショップでは、ミドリフグやハチノジフグが淡水フグの定番であった。しかし、アベニーパファーは純淡水性であるために汽水特有のむずかしさがなく、またミドリフグより小型であり人気の小型水槽との相性もよかったため、淡水フグの定番として定着した。
参考文献
- 2009 ザ・フグ - 書籍全体, 新川章(著) ザ・フグ. 誠文堂新光社. .
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
形態
- 成魚の形質
-
黄色の地肌に黒い斑紋が入る、世界最小の淡水フグ。
成熟した個体では雌雄の判別ができる。
雄の特徴
・体の黒(茶褐色)斑は、雌に比べると大柄であることが多い。
・体側中央に黒い(茶褐色の)ラインが入る。
・体色が雌に比べて濃い。全体的に黄色みを帯び、特に背鰭、臀鰭、尾鰭の黄色が濃くなる。
・アゴの周辺ががっしりしてみえる。
・目の後側に数本現れている白~水色の細い皺上の模様が顕著になる。
・腹面の正中に茶褐色のラインが1本現れ、濃くなる。
雌の特徴
・黒斑に混じって体に(特に背部に)細かい黒点がまばらに入る。
・体色が雄に比べて明るい。
・体形は全体的に丸みがでることが多く、雄に比べて顔が若干細く見える。
参考文献
- 2009 ザ・フグ - 書籍全体, 新川章(著) ザ・フグ. 誠文堂新光社. .
最終更新日:2020-08-22 ひろりこん
生態
- 食性
-
飼育下での餌はイトメ、アカムシ、小型の巻貝などを好む。人工飼料も食べるが、餌づけるには根気が必要。
参考文献
- 2006 フグの飼い方 - 書籍全体, アクアライフ編集部(編) フグの飼い方. エムピージェー : マリン企画. .
最終更新日:2020-08-22 ひろりこん
- 産卵
-
飼育下の観察によると、産卵場所は雌が探し、雄が寄り添って産卵する。また、日中より雄の追尾行動がみられ、夕方から産卵が行われることが多い。1回に5~10個程度産卵し、毎日または数日間隔で数回繰り返される。卵保護はみられない。
参考文献
- 2009 ザ・フグ - 書籍全体, 新川章(著) ザ・フグ. 誠文堂新光社. .
最終更新日:2020-08-22 ひろりこん
- 特徴的な行動
-
自然下では群れで生活する。飼育下でも、個体同士の相性が合えば混泳飼育が可能である。ただし、1匹でも気の荒い個体がいると、その個体がほかのフグにケンカをしかけて全滅させることも珍しくない。
参考文献
- 2006 フグの飼い方 - 書籍全体, アクアライフ編集部(編) フグの飼い方. エムピージェー : マリン企画. .
最終更新日:2020-08-22 ひろりこん