カサゴ(Sebastiscus marmoratus)の解説トップに戻る
カサゴ(Sebastiscus marmoratus)の分類 Sebastidae
カサゴ(Sebastiscus marmoratus)の概要 Sebastiscus

カサゴ(Sebastiscus marmoratus)

【 学名 】
Sebastiscus marmoratus (Cuvier, 1829)

基本情報

大きさ・重さ

成魚全長:30 cm

参考文献

  • 石田実 1997 カサゴ, 水野信彦(監修) 川那部浩哉(編) 日本の海水魚. 山と渓谷社. p. 195.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

分布

北海道南部以南の各地、東シナ海に分布。沿岸の岩礁域に生息する。

参考文献

  • 石田実 1997 カサゴ, 水野信彦(監修) 川那部浩哉(編) 日本の海水魚. 山と渓谷社. p. 195.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

和名の解説

瘡魚の字をあてて、体皮がかさかさして瘡(皮膚病)にかかったように見えることから。

参考文献

  • 2005 魚と貝の事典 - 書籍全体, 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

別名・方言名

アカゾイ(青森)、ハメチ(新潟、富山)、アタガシ(和歌山)、ボッカア(鳥取)、ガガニ(高知)、ガラガブ(熊本)、モアルカブ(壱岐、玄海)、アカイユ(沖縄)

参考文献

  • 2005 魚と貝の事典 - 書籍全体, 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

分類学的位置付け

カサゴ目 フカカサゴ科

従来のフカカサゴ科の分類は1943年の松原喜代松の分類におおむね従っていたが、1994年に石田実が、従来のフカカサゴ亜科としミノカサゴ亜科をフカカサゴ科とし、メバル科、シロカサゴ科、ヒレナガカサゴ科、ハチ科を独立させる新しい分類を提唱した。いずれの分類も一長一短である。今後の「フカカサゴ科」の扱いは流動的になると予想される。

参考文献

  • 村井貴史 2000 フカカサゴ科, 日高敏明(監修) 中坊徹次、望月賢二(編) 日本動物大百科6:魚類. 平凡社. p. 94.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

背鰭12棘10~13(12が多い)軟条、尻鰭3棘5~6(5が多い)軟条、胸鰭17~19(18が多い)軟条、腹鰭1棘5軟条。頭部背面に、それぞれ1対の鼻棘、眼前棘、眼上棘、眼後棘、耳棘、額棘、頭頂棘、及び頸棘があり、いずれも強い。

涙骨の下縁は後下方に向かって尖る。眼窩の下縁に棘はない。

色彩は個体による変異が大きい。本種よりやや深みに生息するウッカリカサゴとは、胸鰭条数の最頻値が違うこと、体が暗褐色で、暗色の鰭膜に淡色の丸い斑紋が多数あること、胸鰭上後方に小黒点があること、胸鰭基部~中央部に淡色の丸い散在する大きな黒斑があることが異なるといわれる。しかし、両種の区別は困難である。

参考文献

  • 石田実 1997 カサゴ, 水野信彦(監修) 川那部浩哉(編) 日本の海水魚. 山と渓谷社. p. 195.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

生態

食性

成魚は、カニ・エビ類、ハゼ類、トラギス類、ヒザラガイ類、フジツボ類などを食べる。

0歳の未成魚は、夕刻から日没前まで、エビ・カニ類、アミ類、多毛類、端脚類、等脚類、クマ類、ガラテア類、小型の巻貝などを食べる。

参考文献

  • 石田実 1997 カサゴ, 水野信彦(監修) 川那部浩哉(編) 日本の海水魚. 山と渓谷社. p. 195.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

ライフサイクル

卵胎生。大部分が2歳で成熟する。性比は1対1。

雌の卵巣は、5~9月は未熟で、11~12月に急に成熟する。抱卵数は2歳で1万、3歳で1万8000~5万7000、4、5歳で7万余り。

雄の精巣は9月中旬以降急に肥大していっせいに精子が充満する。10~11月初旬に交尾し、卵の成熟を待って11月頃に受精する。

仔魚は11~4月、特に12~2月に産出される。孵化仔魚は 3.5~4.5 mmで、卵黄をもつ。

出産後1週間で卵黄を吸収し、10日後に 5 mmとなる。全長 8 mmの仔魚は1対大きな頭頂骨棘、前鰓蓋骨棘をもつ。10 mmで鰓条が定数に達し、17 mmで浮遊生活から底生生活に移行する。4~8月、約 20 mm、暗赤褐色となり、潮溜まりや礫底に生息する。着底後はあまり移動しない。

縄張りをもち、ほかの個体に制約されない1個体、小さな縄張りをもつ個体、縄張りをもたない定住性の個体、放浪性の個体が混在し、それぞれの行動は異なる。

参考文献

  • 石田実 1997 カサゴ, 水野信彦(監修) 川那部浩哉(編) 日本の海水魚. 山と渓谷社. p. 195.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

特徴的な行動

夜行性で日没後に餌を食べる。着底後はあまり移動しない。縄張りをもち、ほかの個体に制約されない1個体、小さな縄張りをもつ個体、縄張りをもたない定住性の個体、放浪性の個体が混在し、それぞれの行動は異なる。

参考文献

  • 石田実 1997 カサゴ, 水野信彦(監修) 川那部浩哉(編) 日本の海水魚. 山と渓谷社. p. 195.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

関連情報

漁獲方法

一年を通して根に居つき、初心者でも釣りやすい魚の一つ。

磯釣りでは、岩場やテトラポッドの穴をねらって釣る穴釣りが一般的。同じ穴に必ず数尾いっしょにいるため、一度に何尾も釣れる。

餌はイカや魚の短冊、エビ類などがよい。竿先を小刻みに上下させて誘うのがコツ。初冬から早春にかけて船釣りも盛んである。

参考文献

  • 2005 魚と貝の事典 - 書籍全体, 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

味や食感

えらの色が鮮やかで、腹部に張りがあり、体色が鮮明なものを選ぶ。

身は白身でしまり、クセのない味で、煮つけにすると最高。から揚げ、塩焼きにしてもよく、ぶつ切りにしてちり鍋やみそ汁に仕立ててもおいしい。頭やひれも美味なので、いっしょに調理するとよい、新鮮なものは洗い、刺身にもなる。

参考文献

  • 2005 魚と貝の事典 - 書籍全体, 望月賢二(著) 望月賢二(監修) 魚類文化研究会(編) 魚と貝の事典. 柏書房. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

種・分類一覧