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モツゴ(Pseudorasbora parva)の分類 Cyprinidae
モツゴ(Pseudorasbora parva)の概要 Pseudorasbora

モツゴ(Pseudorasbora parva)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Pseudorasbora parva (Temminck & Schlegel, 1846)

基本情報

大きさ・重さ

全長:10 cm程度

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

分布

かつては、関東地方以西の本州、四国、九州が自然分布域とされていたが、現在ではコイやフナなどの種苗に混入して放流されるため、北海道から琉球列島にいたる日本全国にふつうに見られる。

国外ではアムール川~中国南部の珠江水系、朝鮮半島全域、台湾などに分布する。

参考文献

  • 細谷和海 2018 モツゴ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 106.
  • 内山隆 1989 モツゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 302-303.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:クチボソ(東京都)、ヤナギモロコ(岐阜県)、イシモロコ(滋賀県)

参考文献

  • 内山隆 1989 モツゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 302-303.

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

分類学的位置付け

コイ目 コイ科 ヒガイ亜科 モツゴ属

参考文献

  • 細谷和海 2018 モツゴ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 106.
  • 内山隆 1989 モツゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 302-303.

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

人間との関係

東日本ではシナイモツゴを絶滅させる要因となっている(日本魚類学会自然保護委員会, 2013)。またヨーロッパでも中国から持ち込まれたモツゴが侵略的外来種として問題視されている(Britton et al., 2010)

食用として本種だけを特に利用することはなく、川魚の甘露煮と称してほかの魚とともに食べるところがある程度である。

佃煮の材料として使われる。

参考文献

  • 内山隆 1989 モツゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 302-303.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

側線は完全(稀に不完全)で体側の中央を縦走し、これに沿うように、吻端から尾びれ基部にいたるまで黒い縦条が見られる。しかし、この濃淡は生息環境や個体によって程度が異なり、まったく見られないものもある。口は吻端にあり受け口で小さく、いわゆる¨おちょぼ口¨であり、東京の呼び名クチボソもこれに由来する。この小さな口でつつくように餌を食べるため、釣り人からは餌とりとして嫌われる。口ひげはない。

産卵期の雄では、全身が著しく黒くなり黒い縦条が消失する。また、うろこの外縁部や各ひれが紫がかった灰黒色となり、口の周辺部に追星が見られる。

参考文献

  • 細谷和海 2018 モツゴ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 106.
  • 内山隆 1989 モツゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 302-303.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

稚魚・仔魚・幼魚の形質

幼魚は体側の縦条が明瞭である。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

生態

生息環境

湖や池沼、それに続く細流や、さらに川の下流域に生息し、泥底の淀みに多い。汚水や環境の変化にも強く、コンクリート護岸の施されている川や下水の流入する都市の川などでも見ることができる。

水田周辺には本種とタモロコが見られることが多いが、やや水の流れのある場所にはタモロコが生息しており、溜池や水の流れが止まったような水路には本種が生息する傾向にある。

参考文献

  • 内山隆 1989 モツゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 302-303.

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

食性

雑食性で、底生動物や付着藻類などを食べ、成魚は主にユスリカの幼虫をとっている。

参考文献

  • 内山隆 1989 モツゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 302-303.

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

産卵

産卵期は東海地方では4月下旬~7月中旬。自然条件下ではヨシなどの茎やこぶし大以上の石の表面などに産卵する。

内山(2001)が人工的につくった野外の池と、屋内水槽で産卵を観察した際の様子が以下である。

池および水槽の中に産卵床となる瓦を立てかけるように置いておくと、雄は数日かけて瓦の内側のコケやごみを丹念に取り除く。その掃除範囲(産卵床)は 5~8 cm × 10~15 cmほどの楕円形をしている。こうして産卵床をつくり終えた雄はそこから離れなくなり、侵入者を追い払うようになる。一方、雌には全身をふるわせながら寄り添っていく。そして雄は産卵床に雌を導き、雌の上に乗るようなかたちで体を押し付けていく。卵は淡い黄色の粘着卵でひも状に産み付けられる。

産卵は早朝に行われ、それも曇りや小雨の日に多く集中する。また、産卵は1対の雌雄によって行われるが、雄は、産卵行動が終わったあとも産着卵から離れずこれを守り、別の雌を誘導してさらに産卵させる。自然の状態では明らかに2尾以上の雌が産卵していると思われる産着卵も観察され、人工の池においても同じであった。ウシモツゴやシナイモツゴと同様に1産卵期における産卵回数は極めて多く、10回を数えたこともあり、各産卵床の総卵数は1500粒を上回った。

参考文献

  • 内山隆 1989 モツゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 302-303.

最終更新日:2020-07-28 ハリリセンボン

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