キチヌ(Acanthopagrus latus)の解説トップに戻る
キチヌ(Acanthopagrus latus)の分類 Sparidae
キチヌ(Acanthopagrus latus)の概要 Acanthopagrus

キチヌ(Acanthopagrus latus)

【 学名 】
Acanthopagrus latus (Houttuyn, 1782)

基本情報

大きさ・重さ

全長:50 cm

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

分布

房総半島~九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、石川県~九州南岸の日本海東シナ海沿岸、朝鮮半島南岸・東岸、台湾(東岸を除く)、中国南シナ海沿岸、ベトナム北部沿岸に分布する。

参考文献

  • 千葉悟 2018 キチヌ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 287.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

和名の解説

腹鰭と尻鰭・尾鰭の下半部は鮮黄色で、これがキチヌの名の由来である。

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:キビレ(三重県、大阪府、有明海)、キチン(下関市)、シラチン(有明海)、シロチン(宮崎県)

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズキ目 タイ科 クロダイ属

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.
  • 千葉悟 2018 キチヌ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 287.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

人間との関係

熊本県、宮崎県、高知県などで養殖が盛んになりつつある。

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体高が高く、体色は銀灰色を呈する。側線鱗数は46(43~48)枚、上部横列鱗数は4枚でそれぞれクロダイより少ない。

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

卵の形質

卵は径 0.82(0.79~0.86)mmで、0.2 mmの油球1個を持つ分離浮性卵である。

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

生態

生息環境

内湾や汽水域に生息する。

参考文献

  • 千葉悟 2018 キチヌ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 287.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

ライフサイクル

水温22.6(21~23)℃では29時間で孵化する。孵化直後の仔魚は 1.9 ㎜で、1ヵ月後には 10 ㎜になる。

1年で 10.6 cm、2年で 14.6 cm、3年で 18.9 cm、5年で 25 cmになり、成長はクロダイよりやや遅い。

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

産卵

産卵期は秋で、宮崎県では9~11月で、盛期は10月である。外洋に面した内湾の磯場に集まって、夕刻から夜半にかけて産卵する。

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

その他生態

クロダイと同じく雌雄同体と性転換の現象が見られる。

体長 9 cmまでは性的未分化の時期で、15~27 cmの頃は両性巣の時期である。体長 16~24 cmの両性巣の中期には精巣が熟し、雄として産卵に加わる。27 cm以上では性は分化し雄か雌になるが、多くは雌になり産卵する。少数であるが両性巣の個体も雄として働く。すなわち、全てのキチヌが一度雄として放精し、のち多くは雌となって産卵する。

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

関連情報

味や食感

塩焼き、あらい、刺身、吸い物、煮つけなどにして美味な高級魚である。肉は白味で弾力があり、淡泊な甘みがある。

参考文献

  • 赤崎正人 1989 キチヌ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 531.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

種・分類一覧