- 解説一覧
- オイカワ(Zacco platypus)について
基本情報
- 大きさ・重さ
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全長:15 cm
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
最終更新日:2020-07-20 ハリリセンボン
- 分布
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北陸・関東地方以西の本州、四国瀬戸内海側、九州の河川中・下流域及び湖沼に広く分布する。近年、東北地方や四国の太平洋側にも琵琶湖産稚アユの放流に伴い移植されている。
国外では、朝鮮半島、台湾島、中国南東部に分布する。
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
最終更新日:2020-07-20 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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地方名:ハヤ・ヤマベ(関東)、ハエ・ハイ・ハス・シラハエ(関西)
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
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- 分類学的位置付け
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コイ目 コイ科 ハエジャコ亜科 オイカワ属
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
- 武内啓明 2018 オイカワ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 100.
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- 人間との関係
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釣りの対象として好まれる。
近年の河川改修の多くは、川床を浅く平坦に広げ、比較的流れの緩やかな水域をつくる結果になっているため、オイカワの生息には適することが多い。本種が分布を拡大しつつあるのは、この河川環境の変化が大きく影響していると考えられる。
岐阜県では佃煮の「いかだばえ」に使われる。
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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形態
- 成魚の形質
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背部は淡褐色・腹部と体側は銀白色で、体側に赤みを帯びた7~10個ぐらいの小さな横斑が並んでいる。カワムツに比べると体幅が狭く、側線鱗数も41~48と少ない。
雄の婚姻色は極めて明瞭で、体側に鮮やかな赤や青緑色を帯び、また特に頭部、尻鰭、体側などには明瞭な追星を生じる。雄は雌より大形になり、尻鰭は雌に比べて著しく大きくなる。
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
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生態
- 生息環境
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平野部の河川、水路、ため池などに生息する。
参考文献
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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- 食性
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生息環境によって多様な食性を示し、付着藻類から水生昆虫や落下昆虫、底生動物や浮遊動物を食べる。摂餌の仕方もそれに応じて変化に富んでいる。また、成長に伴って食性転換が起こる。
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
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- ライフサイクル
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卵は2~4日で孵化し、孵化直後の仔魚は全長 4.4 mmである。その後5日ほどで 7.0~7.2 mmになり、卵黄を吸収し終える。産み出された卵の多くは同じ場所に生息するオイカワ、カワムツ、カマツカ、シマドジョウなどに食べられることが知られている。
前期仔魚は孵化後3~4日間を産卵床内で過ごす。全長 8~14 mmの後期仔魚は、水深 5~15 cm、流速が 5~10 cmという緩やかに流れる淵や平瀬の岸寄りの開けた砂礫底部の表層にいる。
稚魚期には流下し、河口付近まで下ることもあるが、上流部に下流形態を持つ河川では稚魚の流下がそこで止まることがある。
未成魚になると遡上する傾向が強い。湖沼では、稚魚は水深 1 m以下の開けた沿岸の浅いところに多い。
未成魚期以降になると沿岸一帯にその生息域を広げる。川の場合には成魚は瀬と淵の両方に生息するが、特に平瀬を好む傾向がある。冬は深みもしくは水生植物帯へ移り、摂餌量は夏の数分の1以下に減少する。
1年で全長約 10 cm、2年で 12 cm、3年で 13 cmほどに成長する。特に、雄は 15 cmを超えることも多い。ふつう2年で成熟する。
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
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- 産卵
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産卵期は5~8月で、岸よりの流れが緩い平瀬の砂礫底で産卵する。直径 30~50 cmの産卵床に雌雄1対で産卵・放精する。雌は何回かに分けて卵を産む。
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
最終更新日:2020-07-20 ハリリセンボン
関連情報
- その他
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成魚でもウナギ、ナマズ、ハス、カムルチー、オオクチバス、ビワマスや水鳥にしばしば捕食される。
日本のオイカワは東日本・西日本・九州の3系統に分かれており、関東地方から岐阜県は東日本系統が在来である(Kitanishi et al., 2016)。しかし、多くの場所では琵琶湖から移入した西日本系統のオイカワによる遺伝的攪乱が生じている。アユの放流があまり行われてこなかった土岐川には西日本系統が侵入しておらず、貴重な在来系統の生息地となっている(Kitanishi et al., 2018)
参考文献
- 森誠一@名越誠 1989 オイカワ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 244-247.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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