- 解説一覧
- キンメダイ(Beryx splendens)について
キンメダイ(Beryx splendens)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
-
Beryx splendens Lowe, 1834
基本情報
- 人間との関係
-
季題は<冬>
「金目鯛 大き虹彩の 目を持てる 山本貞」
「金目鯛 銀目鯛並び 売られをり 吉崎千代子」
「光もの みな重くなる 金目鯛 兵庫池人」
体の赤い色がもてはやされ、昔からマダイの代わりとして祝いの席に用いられてきた。
参考文献
最終更新日:2020-07-15 En
形態
- 成魚の形質
-
体高が高く側扁する。体長は体高の2.5〜2.9倍。吻は尖っている。背鰭は1基で4棘13〜15軟条。臀鰭は4棘26〜30軟条。胸鰭は16〜18軟条。腹鰭は1棘9〜11軟条。
尾鰭は大きくその後縁は湾入して二叉となる。背鰭の基底は臀鰭に比べて短く、背鰭基底長は臀鰭基底長の2分の1以下。
若魚の背鰭第2軟条は著しく延長する。眼は大きく、眼の前方に後方を向く鋭い1棘がある。側線はえらぶた後端から始まり尾鰭上まで延びる。体や各鰭は鮮赤色。
参考文献
最終更新日:2020-07-15 En
生態
- ライフサイクル
-
孵化直後の仔魚は全長 2.5 ㎜前後。体の後半部腹面に大きな卵黄がある。孵化後72時間で全長 3 ㎜前後になり、卵黄の大部分を吸収し口が開く。また、この時期胸鰭と腹鰭が出現する。
1年で体長 15 ㎝、2年で 24 ㎝前後、3年で 40 ㎝前後に成長する。産卵行動には4年ごろから参加するようになる。
参考文献
最終更新日:2020-07-15 En
関連情報
- 漁獲方法
-
漁期は周年に渡るが、最盛期は9月から4月で、冬場が旬。
立縄式一本釣りやトロール、底延縄で漁獲される。
主な漁場は常磐沖、外房沖、相模湾、駿河湾、伊豆七島沖合で、常磐沖のものは 500 g以下の小型、外房沖のものは平均 1〜2 ㎏、伊豆諸島南部のものでは 2 ㎏以上の大型のものが多い。千葉県勝浦のものは通年水揚げされ、鮮度もよく、大きさも手頃なため、値も高い。
参考文献
最終更新日:2020-07-15 En
- 味や食感
-
タンパク質・脂肪に富み、ミネラルやビタミンB群も多い。目や鱗が金色で体色が鮮やかなものを選ぶ。身が柔らかく少々においもあるため、焼き物には向かないが、鍋物、フライ、味噌漬けなどにするとよい。しょうゆ、酒、砂糖、みりんで少しからめに仕上げる煮付けが代表料理。
参考文献
最終更新日:2020-07-15 En
- その他
-
キンメダイは、水から揚げれば鮮やかな赤色の体をしていて目立つように感じるが、キンメダイの棲む深い海の底では太陽光線の赤い色は吸収され赤く見えず、ほとんど黒い色に見える地味な魚となる。
参考文献
最終更新日:2020-07-15 En