- 解説一覧
- ゼゼラ(Biwia zezera)について

ゼゼラ(Biwia zezera)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
【環境省】絶滅の危険が増大している種
- 【 学名 】
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Biwia zezera (Ishikawa, 1895)
基本情報
- 大きさ・重さ
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全長:8 cm
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
最終更新日:2020-07-30 ハリリセンボン
- 分布
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日本の固有種で、濃尾平野、琵琶湖淀川水系、山陽地方および九州北西部に分布する。移植により関東平野にも定着している。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
最終更新日:2020-07-30 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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地方名:エンドス(琵琶湖)、ボウズモロコ・クソバエ(岐阜県)
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
最終更新日:2020-07-30 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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コイ目 コイ科 カマツカ亜科 ゼゼラ属
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
- 川瀬成吾 2018 ゼゼラ(ゼゼラ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 104.
最終更新日:2020-07-30 ハリリセンボン
- 人間との関係
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雑魚として取り扱われる。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
最終更新日:2020-07-30 ハリリセンボン
形態
- 成魚の形質
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体は細長く、前部がやや縦扁し後部が側扁する。吻は短くてまるい。眼は高い位置にあり大きい。口は小さく、吻端の下方に開く。口ひげはない。唇はなめらかで、乳頭突起を備えた肉質葉はない。肛門と尻びれ起点間のうろこの数は4~8枚。あごの端から、胸びれと腹びれ中間点までの腹面にはうろこがない。体色は灰白色で、体側には瞳と同大の円形の暗色斑が縦に並ぶ。胸びれ、背びれおよび尾びれには、鰭条に沿って褐色の小さな斑点が並ぶ。
側線は完全。上あごの突出能はカマツカやツキフチに比べて劣る。うきぶくろの前室は骨嚢におおわれ、後室は著しく退縮している。
成熟した雄では、体色が紫黒色に変わり、体側の円形暗色斑が消失する。また、うろこの後縁が黒ずみ、胸びれの前縁に追星があらわれる。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
- 川瀬成吾 2018 ゼゼラ(ゼゼラ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 104.
最終更新日:2020-07-30 ハリリセンボン
- 卵の形質
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卵は沈性粘着卵で、最大径約 3 mm、寒天質様の物質を多量に含む。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
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生態
- 生息環境
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川の下流域、平野部の湖や池に生息する。流れのほとんどない淀みの砂泥底を主な生息場所とする。
繁殖期には支流で多く見られるが、夏から秋には木曽川・長良川・揖斐川の本流でも多く見られる。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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- 食性
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泥の表面にある藻類やデトリタスを好み、プランクトン動物も食べる。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
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- ライフサイクル
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受精後2~3日で孵化する。仔稚魚には明瞭な浮遊期がない。満1年で 4~7 cmに成長するが、雄より雌のほうが大きくなるようである。雌雄とも多くは1年で成熟する。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
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- 産卵
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産卵期は4~7月である。水中に張り出したヤナギやヨシ、マコモの根元に雄が縄張りを形成し、その場所で産卵する。産み付けられたあと、雄によって守られる。
産卵期に成熟した雄と雌を採集して、酸欠にならないようにエアレーションした状態で一晩置いておくと、バケツの中でも産卵することがある。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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関連情報
- その他
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ゼゼラ亜属は、アジア大陸東部に広く分布しているゼゼラ属コブクロカマツカ亜属 Microphysogobio から小形化しながら分化したと考えられる。なお、この亜属のものとしてはB.(B.)springeri が朝鮮半島から知られている。
アムール川・朝鮮半島からベトナム北部にゼゼラ属と、近縁のコブクロカマツカ属 Microphysogobio や Platysmacheilus 属が分布する。
参考文献
- 細谷和海 1989 ゼゼラ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 317.
- 川瀬成吾 2018 ゼゼラ(ゼゼラ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 104.
最終更新日:2020-07-30 ハリリセンボン