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- イシドジョウ(Cobitis takatsuensis)について

イシドジョウ(Cobitis takatsuensis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
【環境省】IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
- 【 学名 】
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Cobitis takatsuensis Mizuno, 1970
基本情報
- 大きさ・重さ
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体長:50~60 mm
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-07 ハリリセンボン
- 分布
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本州西部、九州北東部:島根県、広島県、山口県、福岡県
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
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- 分類学的位置付け
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コイ目 ドジョウ科
参考文献
- 中島敦 2018 イシドジョウ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 115.
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-07 ハリリセンボン
- 人間との関係
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水野信彦博士により1970年に新種として記載された小型のシマドジョウである。
小型で礫底に潜んで暮らすことから発見が難しく、生息地周辺でもその存在がほとんど認知されていない。そのため、地方名も知られていない。
また、これほど特異な種であるにも関わらず、当時の研究者の多くはその存在に気付いていなかった。遺伝的にはヒガシシマドジョウにもっとも近く、シマドジョウ属の中でも系統的に古い種と考えられる。従来四国の集団も同種とされてきたが、2006年に別種ヒナイシドジョウとして区別され新種記載された。
生息河川においても一般的に個体数は少なく、生息範囲も限られる。ダム建設適地と本種の好適生息環境が重なることが多く、生息地の減少や分断化が続いている。今後、より積極的な保全対策が望まれる。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
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形態
- 成魚の形質
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各鰭の条数は、背鰭棘状軟条3、背鰭分枝軟条6、臀鰭棘状軟条3、臀鰭分枝軟条5、胸鰭棘状軟条1、胸鰭分枝軟条7~8、腹鰭棘状軟条2、腹鰭分枝軟条6、尾鰭8+8。臀鰭第5軟条は分枝しない。
3対の口ひげを有し、第2口ひげ長は眼径より明らかに長い。吻端から頬を通り、鰓蓋にかかる明瞭な縦条模様がある。体側斑紋L5は明瞭な縦条模様で後半途切れながら尾柄部まで到達する。尾鰭と背鰭には2~4列の不規則な横帯がある。尾鰭付け根の黒点は上のみが明瞭で、その大きさは眼径とほぼ同一である。胸鰭腹鰭間筋節数は16(14~16)。雄胸鰭の骨質盤は発達せず、第1分枝軟条の上片は太い。
2倍体性種で、染色体数は2n=48である。
同属のオオシマドジョウ、ヤマトシマドジョウ、チュウガタスジシマドジョウ、オンガスジシマドジョウが同一水系に分布する場合があるが、本種は頬に明瞭な縦条模様があること、背鰭の分枝軟条数が6本であること、尾柄が高くくびれないこと、第2口ひげ長が極めて長いことなどの特徴から区別は容易である。
分布域外の同属種としてはヒナイシドジョウに似ているが、頬に明瞭な縦条がないこと、臀鰭第5軟条が分枝することなどの特徴から本種との区別が可能である。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
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- 卵の形質
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卵黄径は約 2.7 mmである。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
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- 似ている種 (間違えやすい種)
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ヒナイシドジョウ
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
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生態
- 生息環境
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河川上・中流域の砂礫から岩礫底の、水質が良好な流れのある環境に生息する。特に淵尻などに多い。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
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- 産卵
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繁殖期は6~8月で、産卵は礫底中に潜って行われる。
孵化した仔魚はしばらく礫底中にとどまって成長する。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
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- その他生態
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冬季には礫底中に深く潜って越冬するが、九州の生息地では冬季でも採集されることがある。
野外での寿命は2年程度で、飼育下では3年以上生存する。
基本的に渓流性の種であるが高水温には比較的耐性があり、小規模な河川では好適な環境構造があれば下流域まで生息することがある。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
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