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ホトケドジョウ(Lefua echigonia)の分類 Nemacheilidae
ホトケドジョウ(Lefua echigonia)の概要 Lefua

ホトケドジョウ(Lefua echigonia)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

絶滅危惧IB類 (EN)

【環境省】IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

【 学名 】
Lefua echigonia Jordan & Richardson, 1907

基本情報

大きさ・重さ

体長:40~60 mm

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

分布

東北地方から近畿地方にかけての本州:岩手県、宮城県、秋田県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

生息状況

岐阜県レッドリスト準絶滅危惧。岐阜市レッドリスト準絶滅危惧。加茂地区レッドリスト準絶滅危惧。岐阜市貴重野生動植物指定種。大野町ホトケドジョウ保護条例指定種。御嵩町希少野生生物保護条例指定種。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

学名の解説

本種の模式産地は新潟県長岡市近郊で、種名の「echigonia」も「越後」に由来する。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:ノメノカヂカ(秋田県)、マグソドジョウ(山形県)、ダルマドジョウ(福島県)、コロビキ・ババスコ(栃木県)、シミズドジョウ(千葉県)、オババアス(東京都)、オバク(神奈川県)、スナメドジョウ(新潟県)、ヤマドジョウ(長野県)、オカメドジョウ(長野県)、アカッパラ(静岡県)、カンスケドジョウ・チンボネムリ(岐阜県)、ネバ(愛知県)、スイジシドジョウ・カミサンドジョウ(三重県)

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

分類学的位置付け

コイ目 フクドジョウ科

参考文献

  • 中島敦 2018 ホトケドジョウ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 116.
  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

人間との関係

独特の丸く太短い体をもち、中層をよく泳ぐ変わったドジョウである。

東北地方から近畿地方にかけて分布するが、その分布様式はほかの純淡水魚類にはあまり見られないもので、特異である。

本種の遺伝的な集団構造についてはよく調べられており、東北(+山形)、北陸、北関東、南関東、東海、近畿の6~7の地域集団に区別できることが明らかにされている。形態についても地域による違いが認められ、これら集団のうちいくつかは今後別種あるいは別亜種として区別されるべきかもしれない。

本種は一般的に食用にされることはない。

農地の近代化に伴い、生息状況は急速に悪化しており、条例などで保護対象種に指定している地域も多く、各地で保全の取り組みもなされている。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

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形態

成魚の形質

各鰭の条数は、背鰭棘状軟条3、背鰭分枝軟条6~7、臀鰭棘状軟条3、臀鰭分枝軟条5、胸鰭棘状軟条1、胸鰭分枝軟条9~10、腹鰭棘状軟条2、腹鰭分枝軟条5~6、尾鰭8+8。

体型はやや太短く、頭部は縦扁し、胴部から尾柄に向かって側扁する。4対の口ひげを有する。腹鰭基部は背鰭基部のやや前方に位置する。尾鰭後縁は丸い。眼から吻端にかけて不明瞭な暗色縦条がある集団とない集団がいる。体側には小さな暗色斑点を比較的密に有する。

2倍体性種で、染色体数は2n=50。

雌の方がやや大型化する。

同属のナガレホトケドジョウ、トウカイナガレホトケドジョウ、ヒメドジョウが同一水系に分布する場合があるが、背鰭と腹鰭の位置関係、体型、尾鰭後縁、体側斑紋の特徴から区別は容易である。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

卵の形質

卵径は 1.2~1.4 mmである。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

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生態

生息環境

河川上・中流域や河川敷の湿地、農業用水路、丘陵地細流、池沼などに生息する。

水質が良好で、湧水の流入する低水温の環境、植生が豊富な緩やかな流れのある場所を好む。

参考文献

  • 中島敦 2018 ホトケドジョウ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 116.
  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

ライフサイクル

1年で成熟し、野外では2~6年ほど生きる。飼育下では3年以上生存する。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

産卵

繁殖期は3~9月で、盛期は3~6月である。

1尾の雌に複数の雄が追尾して卵をばらまき、卵は植物などに付着して発生する。仔魚に浮遊期がある。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-13 ハリリセンボン

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