- 解説一覧
- エゾホトケドジョウ(Lefua nikkonis)について

エゾホトケドジョウ(Lefua nikkonis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
【環境省】IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
- 【 学名 】
-
Lefua nikkonis (Jordan & Fowler, 1903)
基本情報
- 大きさ・重さ
-
体長:50~100 mm
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
- 分布
-
北海道、本州(青森県の一部)
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
- 学名の解説
-
本種の種名「nikkonis」は栃木県の日光に由来するとされるが、当地域には分布しない。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
- 別名・方言名
-
地方名:ホトケドジョウ・シマドジョウ
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
-
コイ目 フクドジョウ科
参考文献
- 中島敦 2018 エゾホトケドジョウ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 117.
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
- 人間との関係
-
北海道を代表する純淡水魚の1つである。
北海道内での分布もやや不連続的である。本種は青森県北部にも分布することが比較的古くから知られているが、この集団については人為移入か在来かについて結論が出ておらず、今後の研究課題である。
本種と同様に雄の体側に明瞭な縦条模様をもつホトケドジョウ属としては、極東ロシア地域に分布する L. pleskyi と中国東北部から朝鮮半島に分布するヒメドジョウが知られる。これらは遺伝的に明瞭に区別できるものの単系統であることが分かっており、このうち本種は L. pleskyi により近縁である。
なお、サハリン南部から本種と思われる種の報告があるものの、詳細は不明である。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
形態
- 成魚の形質
-
各鰭の条数は、背鰭棘状軟条3、背鰭分枝軟条6~7、臀鰭棘状軟条3、臀鰭分枝軟条5、胸鰭棘状軟条1、胸鰭分枝軟条10~11、腹鰭棘状軟条2、腹鰭分枝軟条5~6、尾鰭8+8。
体型はやや太短く、頭部は縦扁し、胴部から尾部に向かって側扁する。4対の口ひげを有する。鱗は比較的大きく、よく目立つ。縦列鱗数は64~75。腹鰭基部は背鰭基部のやや前方に位置する。尾鰭後縁は丸い。
体色は灰褐色をしている。背部は濃色で、体側部から腹部は明色。吻端から眼を通り、尾鰭基部に到達するやや幅広い黒色の縦条をもつが、成熟した雌ではこの縦条は不明瞭になる。尾鰭基部中央に明瞭な二等辺三角形の黒斑があるが、この黒斑は体長 30 ㎜以下の幼魚には見られない。
2倍体性種で、染色体数は2n=50。
雌の方が顕著に大型になる。
同所的に生息する同属種はいない。国外外来種として、本州の一部地域に定着しているヒメドジョウによく似るが、ヒメドジョウの鱗は小さく、本種よりも縦裂鱗数がはるかに多いこと、体高がより低いこと、より小型であることなどの特徴から区別が可能である。
日本に産するほかの同属種とは、本種の体側に縦条模様があること、尾鰭基部中央に明瞭な斑紋を有することから区別が可能である。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
- 稚魚・仔魚・幼魚の形質
-
幼魚には明瞭な縦条がある。
参考文献
- 中島敦 2018 エゾホトケドジョウ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 117.
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
-
河川中・下流域、氾濫原内の細流や池沼などの止水域から緩やかな流れのある環境に生息する。植物が豊富な浅い場所を好む。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
- ライフサイクル
-
雄は1年、雌は2年で成熟する。
1繁殖期に同一個体が複数回の繁殖を行い、その後も死亡せず複数年繁殖に参加することが知られている。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン
- 産卵
-
繁殖期は4~9月と長く、春だけ産卵する生息地と秋まで産卵する生息地があることが知られる。湧水池などでは9月頃まで続く。一般的に5~6月が繁殖期の盛期とされる。
1尾の雌を複数の雄が追尾し、植物の根際に粘着力の弱い卵をばらまく。
参考文献
- 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-12 ハリリセンボン