- 解説一覧
- チチブ(Tridentiger obscurus)について
チチブ(Tridentiger obscurus)
- 【 学名 】
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Tridentiger obscurus (Temminck & Schlegel, 1845)
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
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全長:10 cm程度
参考文献
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
最終更新日:2020-09-07 ハリリセンボン
- 分布
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青森県~九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、新潟県~九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、朝鮮半島南岸・東岸南部、済州島に分布する。
国外では朝鮮半島に生息する。
参考文献
- 明仁 2018 チチブ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 408.
- 岸由二 1989 チチブ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 605.
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- 生息状況
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岐阜県レッドリスト準絶滅危惧。
参考文献
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
最終更新日:2020-09-07 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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地方名:ダボハゼ(関東地方:混称)、ゴリ(高知県:混称)
参考文献
- 明仁 2018 チチブ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 408.
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- 分類学的位置付け
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スズキ目 ハゼ科 ハゼ亜科 チチブ属
参考文献
- 明仁 2018 チチブ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 408.
- 岸由二 1989 チチブ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 605.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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- 人間との関係
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東京湾でマハゼ釣りの外道で知られるいわゆる¨ダボハゼ¨とは本種で、かつては河口付近や運河沿いに住む子どもたちに最も馴染み深い魚のひとつであった。
参考文献
- 岸由二 1989 チチブ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 605.
最終更新日:2020-09-07 ハリリセンボン
形態
- 成魚の形質
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やや太短い円筒形で、体色は明褐色から黒色。産卵期の雄は特に黒い。
成魚では第1背鰭の棘条の先端が糸状に伸び、産卵期の雄で特に著しい。頭部側面には明色の小さな斑点が密に散在し、体側には数本の暗色縦条が見られる。
第1背鰭の棘条は、若魚の頃から雌雄とも糸状に伸びるが、成魚の雄ではこれが顕著である。胸鰭の基部が帯状に明褐色ないし白色を呈するのも重要な判別点になる。
参考文献
- 明仁 2018 チチブ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 408.
- 岸由二 1989 チチブ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 605.
最終更新日:2020-09-07 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
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ヌマチチブ
参考文献
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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生態
- 生息環境
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河口域や下流域の、礫・転石や各種の人工的な投棄物などのある場所にたまり、隠れ場を占有する傾向もある。
ときに淡水の池(例えば島根県隠岐島島後の男池・女池、鹿児島県池田湖)でも生息している。
岐阜県内では木曽三川の下流域に生息するが、ヌマチチブに比べるとかなり少ない。伊勢湾奥部では名古屋市の藤前干潟などでよく見られる。
参考文献
- 明仁 2018 チチブ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 408.
- 岸由二 1989 チチブ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 605.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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- 食性
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雑食性で藻類や各種の無脊椎動物、小型の魚類などを食べる。
参考文献
- 岸由二 1989 チチブ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 605.
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- ライフサイクル
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孵化時の仔魚は全長 3.2~3.7 mm(近縁のヌマチチブは 2.5~2.7 mm)。1ヵ月ほど浮遊生活を送り、体長 13~14 mmで底生生活に移る。1年で成熟し、河口域のものはおおむね1年で死亡すると思われる。
参考文献
- 岸由二 1989 チチブ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 605.
最終更新日:2020-09-07 ハリリセンボン
- 産卵
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東京湾沿岸の川や河口では、水温が20℃を超す5~9月が産卵期で、転石の下や石垣の隙間、空き缶などを雄が占有して産卵室とする。
雌が訪れると、雄は真っ黒になり、グルグルという音を伴った¨首振り行動¨や¨ジグザグダンス¨で求愛する。
雌は著しい明色となって産卵室に入り、主として天井部に1層に卵を産み付ける。1つの巣に数尾の雌が続けて産卵することも珍しくなく、同時に複数の雌が産卵することさえある。
雄は産卵室にとどまって、孵化まで卵を保護する。
参考文献
- 岸由二 1989 チチブ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 605.
最終更新日:2020-09-07 ハリリセンボン
関連情報
- 味や食感
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唐揚げ、佃煮、蒲焼きなどにされることがある。
参考文献
- 明仁 2018 チチブ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 408.
最終更新日:2020-09-07 ハリリセンボン