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カダヤシ(Gambusia affinis)の分類 Poeciliidae
カダヤシ(Gambusia affinis)の概要 Gambusia

カダヤシ(Gambusia affinis)

【 学名 】
Gambusia affinis (Baird & Girard, 1853)

基本情報

大きさ・重さ

全長:雄 3 cm、雌 5 cm

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

分布

分布域は1970年頃まで比較的限られていたが、「蚊絶やし」の名の通り、蚊の幼虫のボウフラ退治のため東京から徳島へ移植され、徳島で増えたものがさらに東日本、西日本の各地へ放流されて広がった。現在のところ北限は福島県のようである。

本来の分布域は北アメリカ大陸の東南部で、東はニュージャージーから西はメキシコ北部にまで至る。ただし東部にすむものは日本に移入されたものとは別亜種 G. a. holbrooki とされる。

今世紀はじめにボウフラ退治を目的として世界各地へ放流され、現在は南ヨーロッパ、オーストラリア、東南アジアなど、熱帯から温帯の世界各地に分布している。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:タップミノー(英語の俗称である top minnowから)

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

分類学的位置付け

カダヤシ目 カダヤシ科 カダヤシ属

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

人間との関係

日本へは1916年に初めて台湾島経由で移入された。

現在、世界各地に定着しており、アメリカ国内でもハワイを含む広範囲に分布を広げた。これに伴って、卵生、胎生を問わず、土着のメダカ類を駆逐しつつあり、問題となっている。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

メダカに似るが、体がもっと青っぽく尾鰭がまるい。また、グッピーの雌よりもカダヤシの雌の方が尻鰭に対して背鰭が後方に位置する。

成熟した雄には尻鰭の一部が変形した交尾器があり、前後に動かすことができる。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

メダカ、ミナミメダカ

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

生態

生息環境

水田と用水路のほか、平地の池沼・湖にも分布を広げている。また、河川の下流で流れの緩いところや、海に連絡し海水の混じる水路にも見られる。

ミナミメダカよりも安定した止水を好む傾向が強く、やや流れのある小河川や水田地帯では、あまり見られない。

ミナミメダカと同所的に生息する場所では、ミナミメダカを攻撃して尾鰭を食いちぎることが知られている(幸地, 1991)。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

食性

雑食性である。水面に落下した小さな昆虫、プランクトン動物、プランクトン植物、糸状藻類を食べる。また、自種も含めて仔稚魚をも食べる。

完全にプランクトン植物のみが消化管内に見られた例もある。底生生物はほとんど利用しない。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

ライフサイクル

成熟は早く、5月に生まれた個体がその年のうちに産仔する。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

活動時間帯

昼行性

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

産卵

卵胎生で、交尾により体内受精し直接仔魚を産む。そのため、卵を産み付ける水草などを必要としない。

1腹の仔魚数は最大で300粒程度であるが、雌の大きさや個体群によっても異なり、東京では体長 4 cmの雌で100程度である。

産仔には水温と日長の両方が関係している。産仔期間は長く、東京で5~10月である。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

その他生態

グッピーほどではないが、水質汚染に対する耐性も強い。

浅いところに散漫な群れをつくって、水表を遊泳していることが多い。冬には水温の比較的高いところに集まっているのを見かける。

メダカなどに比べて攻撃性が強く、太陽コンパスによって方向定位するという研究報告もある。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 カダヤシ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 430.

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

関連情報

その他

特定外来生物、重点対策外来種である。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-24 ハリリセンボン

種・分類一覧