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カマキリ(Cottus kazika)の分類 Cottidae
カマキリ(Cottus kazika)の概要 Cottus

カマキリ(Cottus kazika)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

絶滅危惧II類 (VU)

【環境省】絶滅の危険が増大している種

【 学名 】
Cottus kazika Jordan & Starks, 1904

基本情報

大きさ・重さ

全長:20 cm程度

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

分布

日本固有種で、神奈川・秋田両県以南の本州、四国、九州に分布し、本州の日本海側に多い。

参考文献

  • 後藤晃 2001 アユカケ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 655.

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

生息状況

岐阜県レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類。岐阜市レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

和名の解説

えらぶたの後縁(前鰓蓋骨)に4本の棘があり、和名はこの棘でアユを引っかけて食べるという伝説に由来している。

本種の標準和名については「アユカケ」と「カマキリ」の2つが使われており、定まっていない。記載論文(Jordan and Starks, 1904)には和名が記載されておらず、海域で産卵後に斃死したと思われる標本に対して「タキタロウ Rheopresbe fujiryamae」という別の名前が付けられている。

20世紀前半の学術的な文献では「カマキリ」の名称が使われているが(黒田, 1935, 1947)、原色日本淡水魚類図鑑(宮地ほか, 1963)から「アユカケ」の名称が使用されている。

また福井県では「アラレガコ」(あるいは、アイカケやガコブツ)と呼ばれ(佐々木, 1936)、九頭竜川は「アラレガコ生息地」として国の天然記念物になっている。

岐阜県では「かわふぐ」や「つちかぶ」と呼ばれていたようである(長良川の生物編集委員会, 1957)。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:アラレガゴ(福井県)、カマキリ・フチガマ(高知県)

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズキ目 カジカ科 

カジカと同属とされてきたが、系統的に離れており、形態、生態、核型なども異なることから、2019年に別属とされた(Goto et al., 2019)。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

人間との関係

福井県の一部で天然記念物に指定されているが、かつてはゴリ料理として有名であった。

階段式魚道やごく低い堰でも遡上を阻害される。そのため生息域が狭められ、近年全国的に減少している。

参考文献

  • 後藤晃 2001 アユカケ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 655.

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

ほかのカジカ属5種とは異なり、口蓋骨に歯がある。頭部が大きく、鰓蓋の棘が鉤状に発達する。体側に4本の暗色横帯が走る。鱗はない。

腹鰭の軟条数は15~19本で、成魚では先が分枝している。

参考文献

  • 後藤晃 2001 アユカケ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 655.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

卵の形質

卵は 1.5~1.7 mmと小さい。

参考文献

  • 後藤晃 2001 アユカケ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 655.

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

生態

生息環境

川の中流域を中心に生息し、特に瀬の礫底を好む。

参考文献

  • 後藤晃 2001 アユカケ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 655.

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

食性

幼魚期には主に水生昆虫を、10 cmを超える個体はアユなどの小魚を食べる。

参考文献

  • 後藤晃 2001 アユカケ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 655.

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

ライフサイクル

孵化した仔魚は沿岸で浮遊生活をしたあと、全長 13~15 mmの稚魚に成長し、春に河川に遡上する。

ダムや堰などによって幼魚の遡上や成魚の降海が妨げられやすく、岐阜県内の揖斐川では比較的よく見られるが、長良川や木曽川では少ない。

参考文献

  • 後藤晃 2001 アユカケ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 655.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

産卵

産卵期は1~3月である。夜間に川の中層を下った成魚は、海の沿岸近くで産卵する。

参考文献

  • 後藤晃 2001 アユカケ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 655.

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

関連情報

味や食感

食べると大変美味で、揚げ物、塩焼き、鍋物など、何でも美味しく頂ける。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-01 ハリリセンボン

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