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カジカ(Cottus pollux)の分類 Cottidae
カジカ(Cottus pollux)の概要 Cottus

カジカ(Cottus pollux)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

準絶滅危惧種 (NT)

【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Cottus pollux Günther, 1873

基本情報

大きさ・重さ

全長:15 cm程度

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

分布

千葉県を除く本州と九州北西部の河川に分布する。

参考文献

  • 中坊徹次 2018 カジカ大卵型, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 346.

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:ダンボジカ(弘前市)、ドボ(三重県度会郡)

参考文献

  • 後藤晃 1989 カジカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 666-667.

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズキ目 カジカ科 カジカ属

参考文献

  • 後藤晃 1989 カジカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 666-667.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

人間との関係

ゴリ料理のもともとの材料であるアユカケに代わって、金沢では現在本種の大卵型がもっぱら用いられており、近隣の県ではその種苗生産に力が注がれている。

カジカ類は養殖が行われているが、大卵型よりも小卵型の養殖の方が容易であるため、山間地において出されるカジカ料理は、本来生息する大卵型ではなく、養殖された小卵型のことがある。

参考文献

  • 後藤晃 1989 カジカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 666-667.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体色は淡褐色から暗褐色まで変異に富み、体側には4~5個の暗色の斑紋がある。えらぶたの後縁の棘は1本。胸鰭の軟条は分枝することはなく、また腹鰭は淡色で斑紋がない。

アユカケよりも頭部が小さく、鰓蓋の棘は小さく鱗はない。カジカ小卵型に比べ、胸鰭条数が少ない(大卵型12~14)。

参考文献

  • 後藤晃 1989 カジカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 666-667.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

卵の形質

産着卵の直径は、2.5~3.7 mmである。

参考文献

  • 後藤晃 1989 カジカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 666-667.

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

小卵型(ウツセミカジカ)に類似する。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

生態

生息環境

主に山間地の河川に生息するが、長良川では関市の保土島あたりで小卵型と同所的に生息し、交雑していたとされる(丹波, 1967)。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

食性

肉食性で、付着性の水生昆虫を主に獲っているが、流下昆虫、底生小動物のほか小魚も食べる。

参考文献

  • 後藤晃 1989 カジカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 666-667.

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

ライフサイクル

大卵型の仔魚は、形態形成が進んだ状態で孵化し、ふつう大きな卵黄嚢を持つ。そのため、海へ降下することなく、産卵床の周りの小礫の間で底生的生活を送る。卵黄を吸収し終えたときには立派な稚魚にまで成長しており、移動・分散して比較的流れの緩やかな平瀬の礫底に棲むことが多い。

大卵型では、雌の多くは2年で、また雄の多くは3年で成熟に達する。同一年齢で比べると、雄は雌より幾分大形である。

参考文献

  • 後藤晃 1989 カジカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 666-667.

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

産卵

産卵期は大卵型で3月下旬~6月上旬。中・下流域に生息する小卵型(ウツセミカジカ)よりも、やや大型の卵を産む。

瀬の石礫底にある大形の石の下の空所に雄がなわばりをはり、次々と雌を誘ってつがい、石の下面に卵をしっかりと付着させる。すなわち、婚姻形態は一夫多妻的である。

産卵後、雄は孵化まで卵を保護する。

参考文献

  • 後藤晃 1989 カジカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 666-667.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-02 ハリリセンボン

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