- 解説一覧
- カマツカ(Pseudogobio esocinus)について
カマツカ(Pseudogobio esocinus)
- 【 学名 】
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Pseudogobio esocinus (Temminck & Schlegel, 1846)
基本情報
- 大きさ・重さ
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全長 20 cm程度。
参考文献
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
最終更新日:2020-07-09 ハリリセンボン
- 分布
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青森県以南の本州と高知県を除く四国、九州、朝鮮半島のほぼ全域と中国北部に分布する。琵琶湖産アユの放流に混じって、分布の攪乱が生じている。
岐阜県においても琵琶湖からの移入個体が見られる。
参考文献
- 川瀬成吾 2018 カマツカ(カマツカ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 104.
最終更新日:2020-07-09 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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コイ目 コイ科 カマツカ属
参考文献
- 川瀬成吾 2018 カマツカ(カマツカ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 104.
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形態
- 成魚の形質
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体は細長く、前部が縦扁し後部が側扁する。吻は長く尖る。眼は高い位置にある。口は吻端の下方に開き、口ひげは1対でその長さはほぼ眼径に等しい。唇は多数の乳頭突起に縁取られる。胸鰭と腹びれは大きく、水平位にある。
肛門は腹鰭のやや後方に位置し、日本産コイ科の中では最も前方にある。肛門と尻鰭の起点間のうろこの数は13~16枚。下あごの端から胸鰭基底までの腹面にはうろこがない。
体色は淡褐色で、体側には円形の暗色斑が、背中線上には鞍状の暗色版画それぞれ縦に並ぶ。腹面は淡黄色。尻鰭を除く各鰭には、褐色の小斑点が散在する。
側線は完全。咽頭歯は2列。神経頭蓋を構成する側篩骨の腹面は、強固な翼状構造に変形。大形の個体では眼上骨が前額骨に癒合する。うきぶくろの前室は、鰾外壁が骨化してできた骨嚢に覆われ、後室は著しく退縮している。
成熟した雄では、顆粒状の追星が東部や胸鰭にあらわれるが、婚姻色はあまり目立たない。
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
最終更新日:2020-07-09 ハリリセンボン
- 稚魚・仔魚・幼魚の形質
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仔稚魚には明瞭な浮遊期がない。全長約 15 ㎜で、口ひげとうろこが、約 25 ㎜で唇の乳頭突起や尾びれの褐色の小斑点があらわれ始める。満1年で 6~8 cm、2年で約 10 cm、3年で約 15 cmに成長する。満2~3年で成熟する。
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
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- 卵の形質
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卵は沈性粘着卵で、最大径 1.0~1.5 mmになる。
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
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生態
- 生息環境
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河川中~下流域や湖の沿岸と、農業水路などの砂底や砂泥底に生息する。川遊びをしているとよく見かける魚種の1つである。
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
- 川瀬成吾 2018 カマツカ(カマツカ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 104.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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- 食性
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主に底生動物をとる雑食性で、幼魚は藻類も食べる。
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
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- 産卵
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産卵期は5~6月で、夜間に川の浅くて流れのゆるやかな場所で行われ、卵は砂礫底にばらまかれる。受精後約1週間で孵化する。
琵琶湖では5月から7月の間に、沿岸の砂底に産卵する(滋賀県水産試験場, 1915)
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
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- 特徴的な行動
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危機を感じると砂に潜り、目だけを出して身を潜めるといった習性がある。
少しずつ前進しては、吻を突出させて砂とともに餌を吸い込み、えら穴から砂を出す。その砂の中に残る餌にありつこうと、周囲にはシマドジョウやヨシノボリ類が集まる。
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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関連情報
- 味や食感
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肉量が多く肉質もよい。味が淡白なので、塩焼きにするか、素焼きにして酢醤油につけて食べるとよい。
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
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- その他
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かつては本州・四国・九州に広く同一種の「カマツカ」が分布すると考えられていたが、ミトコンドリアDNAの系統などを元に3種に分けられた(Tominaga et al., 2016; Tominaga and Kawase, 2019)。岐阜県にはそのうちの2種が分布し、本種が元のカマツカの和名と学名を引き継いでいる。
咽頭歯の副列歯数が異なるので、中国南部のものは P.(P.)e. vaillanti という別の亜種に分ける場合もある。
参考文献
- 細谷和海 1989 カマツカ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 314-315.
- 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .
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