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ズナガニゴイ(Hemibarbus longirostris)の分類 Cyprinidae
ズナガニゴイ(Hemibarbus longirostris)の概要 Hemibarbus

ズナガニゴイ(Hemibarbus longirostris)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Hemibarbus longirostris (Regan, 1908)

基本情報

大きさ・重さ

全長:20 cm

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

分布

九州や四国に分布しないなど、ニゴイに比べて分布域が狭く、生物地理学上、興味深い分布パターンを示す。

自然分布域は近畿地方以西の本州、すなわち滋賀県野洲川、京都府の賀茂川、鴨川、桂川、由良川、奈良県吉野川、和歌山県紀ノ川、兵庫県の千種川、円山川、岡山県の吉井川、旭川、高梁川、広島県芦田川、島根県江川、山口県の佐波川、椹野川、厚東川、阿武川、静岡県藁科川など。山陰のいくつかの河川にも移植されている。

国外では、朝鮮半島、中国の遼河からも報告されている。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:ウキガモ(関西、山陽地方)

日中、水面近くまで浮き上がることがあり、地方名のウキガモはこの習性に由来する。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

分類学的位置付け

コイ科 カマツカ亜科 ニゴイ属

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

人間との関係

雑魚として取り扱われる。天ぷらや唐揚げによい。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体形はニゴイやカマツカに似るが、体が概して小さく、頭と吻はやや長く、体側に7~9条の小黒点の列を備え、背びれと尾びれには褐色の小斑点が散在する。側線は完全。咽頭歯は3列または2列である。

模様はカマツカに似ている。

成熟した雄では、体全体に顆粒状の追星があらわれるが、婚姻色はあまり目立たない。

また雌では、尻鰭がのびる。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.
  • 2018 くらべて分かる淡水魚 - 書籍全体, 斉藤憲治(著) 内山りゅう(他) くらべて分かる淡水魚. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

卵の形質

卵は沈性粘着卵で、最大径約 2.5 mmである。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

生態

生息環境

川の中流から下流域に分布するが、ニゴイよりも上流域に偏る。流れのゆるやかな底層付近に生息し、ときどき砂の中に潜る。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

食性

止水生のカゲロウを中心とする水生昆虫を主に食べる。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

ライフサイクル

受精後6~7日で孵化する。孵化直後の仔魚は全長約 6 ㎜、孵化後約5日で卵黄を吸収する。満1年で全長 7~10 cm、2年で 10~13 cm、3年で 15 cm以上に成長する。ふつう2年で成熟する。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

産卵

産卵期は5~6月である。流れの緩やかな瀬でペアになり産卵する。

卵には強い粘着性があり、砂とともに互いに粘着し合って塊を作る。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.
  • 2018 くらべて分かる淡水魚 - 書籍全体, 斉藤憲治(著) 内山りゅう(他) くらべて分かる淡水魚. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

特徴的な行動

驚くと砂中に潜る。

参考文献

  • 2018 くらべて分かる淡水魚 - 書籍全体, 斉藤憲治(著) 内山りゅう(他) くらべて分かる淡水魚. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-26 ハリリセンボン

関連情報

飼育方法

生息地では低密度でいるので、まとまった数を獲ることは難しいが、飼育は容易である。ただし沈下性の餌が必要となる。水槽内で成熟し、繁殖行動を見ることもできる。稚魚を育てることも可能。

参考文献

  • 2018 くらべて分かる淡水魚 - 書籍全体, 斉藤憲治(著) 内山りゅう(他) くらべて分かる淡水魚. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

その他

ニゴイ属のなかでは、ニゴイよりもさらに系統的に原始的な位置にある。なお、かつて岡山市近郊から朝鮮半島産のヤガタニゴイの1亜種 H. mylodon eristigma が記録されたが、これは本種を誤認したものと思われる。

参考文献

  • 細谷和海 1989 ズナガニゴイ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 322.

最終更新日:2020-08-28 ハリリセンボン

種・分類一覧