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シマヨシノボリ(Rhinogobius nagoyae)の分類 ハゼ科(Gobiidae)
シマヨシノボリ(Rhinogobius nagoyae)の概要 ヨシノボリ属(Rhinogobius)

シマヨシノボリ(Rhinogobius nagoyae)

【 学名 】
Rhinogobius nagoyae Jordan & Seale, 1906

基本情報

大きさ・重さ

全長:7 cm程度

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

分布

北海道を除く日本全国に分布する。新潟周辺、関東、岐阜周辺、大阪などの大平野部の河川には少ないが、こういった地域を除けば、ヨシノボリ属の中ではふつうに見られる魚である。

国外では、朝鮮半島と台湾島からも知られている。

参考文献

  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

生息状況

岐阜市レッドリスト準絶滅危惧。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:ゴリ(日本各地:混称)、グズ(山陰地方:混称)、アオバラ(愛媛県大洲地方)

参考文献

  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズキ目 ハゼ科 ヨシノボリ属

参考文献

  • 平嶋健太郎 2018 シマヨシノボリ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 412-413.
  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体側に約6個の明瞭な黄斑がある。頬には赤色のミミズ状の細長い斑紋が散在し、胸鰭の根元近くには三日月状の斑紋が2~3個見られる。背鰭、尾鰭、尻鰭の地色は淡く、その上に数列の大きい青色斑が1個存在する。

雄の第1背鰭は高く烏帽子形をしている。

産卵期には腹部全体が青色を帯び、完熟した雌では腹部の青色斑が特に濃くなる。愛媛県大洲地方での呼び名アオバラは、この著しい特徴に由来している。

参考文献

  • 平嶋健太郎 2018 シマヨシノボリ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 412-413.
  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

生態

生息環境

川の中流域を中心に生息し、特に平瀬に多い。大河川にも小河川にも分布する。

参考文献

  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

食性

雑食性で、付着藻類や小型の水生昆虫を主に食べている。

参考文献

  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

ライフサイクル

孵化した仔魚は直ちに海に下り、2~3ヵ月をそこで過ごしたあと、全長 15~20 mmに成長して川へ遡上してくる。夏季には海から幼魚が群れをなして遡上するが、下流に堰のない揖斐川では特に多く見られる。

大部分の個体は2年で産卵する。

丘陵地帯のため池には、流入河川との間を回遊して、一生を淡水域で過ごす陸封性のものもある。それらの中には全長 30 ㎜というごく小形で成熟するものもあるが、シマヨシノボリの特徴は明瞭に保持されている。

参考文献

  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

産卵

西日本での産卵期は5~7月。雄が半ば砂に埋まった石の下に産卵室をつくり、雌を呼び入れて、天井面に卵を1層に産み付ける。産卵後も雄は巣に留まって、孵化するまで卵を保護する。

参考文献

  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

その他生態

ヨシノボリ類には多くの種が知られているが、その中では最も神経質で、人の接近に敏感に反応する。

参考文献

  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

関連情報

その他

かつてヨシノボリ1種とされていたものは9種に分けられ、これらが全て異なった種のものかどうかを判定する一助に、配偶者選択実験を何年も続けた。同じもの同士や違うもの同士の成熟した雌雄1対を同じ水槽に入れて、求愛が成功するかどうかを見る、いわば¨お見合い実験¨である。

求愛中の雄と雌の積極性が種によって大変違う。このシマヨシノボリの求愛行動では、雄の動きが鈍いのとは対照的に雌の方が非常に積極的であった。例えば、雌の方から雄に接近して、体を曲げて真っ青に染まった自分の腹部を雄の両面に誇示するし、ときには、雄が巣穴の入り口に顔を見せただけで、雌はその巣に入ったりする。

九州以北と屋久島以南の個体群で遺伝的相違がある。

参考文献

  • 平嶋健太郎 2018 シマヨシノボリ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 412-413.
  • 水野信彦 1989 シマヨシノボリ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 586-587.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

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