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トビハゼ(Periophthalmus modestus)の分類 ハゼ科(Gobiidae)
トビハゼ(Periophthalmus modestus)の概要 Periophthalmus

トビハゼ(Periophthalmus modestus)

準絶滅危惧種 (NT)

【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Periophthalmus modestus Cantor, 1842

基本情報

大きさ・重さ

全長:10 cm

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

分布

千葉県~屋久島・種子島の太平洋沿岸、瀬戸内海、福岡県津屋崎~九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、有明海、朝鮮半島西岸・南岸、台湾北部・南部、澎湖諸島、浙江省~海南島の中国沿岸に分布する。

参考文献

  • 松井彰子 2018 トビハゼ(トビハゼ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. pp. 392-393.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:カッチャン・カッチャムツ(佐賀県)、カタハゼ(熊本県)、トントンミー(沖縄県:混称)

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズキ目 ハゼ科 ハゼ亜科 トビハゼ属

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.
  • 松井彰子 2018 トビハゼ(トビハゼ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. pp. 392-393.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体側に小黒点が散在する。

眼は頭部背面に突出し、眼下に眼を収納する窪みと下眼瞼がある。両眼の間隔は狭く、頻繁に眼の直下の窪みに眼を引き込むため、まばたきをするように見える。

腹鰭全部には膜蓋があり、吸盤状の腹鰭後縁部の癒合膜は窪む。

えら穴は非常に小さく、えらぶたは袋状となっており、時折大きく膨らむ。

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.
  • 松井彰子 2018 トビハゼ(トビハゼ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. pp. 392-393.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

生態

生息環境

泥底の干潟が発達した河口域に生息する。

生活は3~11月の活動期と、11~3月の休止期に大きく分けられる。

活動期では、昼間の干潮時に泥面上に分散して小動物を捕食する。満潮時には、潮を避けるかのように岸辺の石などに這い上がり静止して、次の干潮を待つ。夜間は干潮時にも岸辺で静止する。

休止期では、数日巣内で過ごし、餌も食べない。

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

ライフサイクル

孵化仔魚は浮遊生活を送ったあと、全長 15 mmに達すると、水陸にまたがる両性生活に入る。生後約1年で 5 cm前後に達し成熟する。

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

産卵

産卵期は3~8月、雄が泥中に産卵巣をつくり、雌をそこに導く。卵は産卵巣の天井に産み付けられる。

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

特徴的な行動

発達した胸鰭で腹面を地面につけずにはい回り、また尾部を使って泥面あるいは水面を跳びはねて移動する。

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

その他生態

活動期では、1日の大部分を空気中で過ごす。空気中では主に皮膚呼吸を行う。トビハゼはカエルと違ってアンモニアを尿素に転換する能力をほとんど持たない。一般に脳はアンモニアの毒性に対して最も敏感な器官であるが、この魚の脳はほかの魚よりもアンモニアを無毒なアミノ酸に変える能力が著しく高い。

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

関連情報

飼育方法

イトミミズ、アカムシ、アミなどを与えて容易に飼育できるが、淡水や100%海水中では死亡するため、20~30%程度に薄めた海水中で飼育するとよい。

参考文献

  • 岩田勝哉 1989 トビハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 642.

最終更新日:2020-09-11 ハリリセンボン

種・分類一覧