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マナガツオ(Pampus punctatissimus)の分類 Stromateidae
マナガツオ(Pampus punctatissimus)の概要 Pampus

マナガツオ(Pampus punctatissimus)

【 学名 】
Pampus punctatissimus (Temminck & Schlegel, 1845)

基本情報

大きさ・重さ

成魚全長:60 ㎝

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最終更新日:2020-08-12 En

分布

北海道日本海側、本州中部以南、黄海、シナ海に分布。

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和名の解説

①美味であるところから、親愛の意を表すマナ(真名)か。
②マサカツヲ(方堅魚)の意。
③マナ(真名)は「真実、本当」の意だから「これこそ本当のカツオというべき魚である」という意。
④瀬戸内海ではカツオがとれないので、初夏にとれるこの魚を初ガツオに見立てて「マネガツオ(真似ガツオ)」といったのが転訛したもの。

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別名・方言名

ギンダイ(富山県魚津・東岩瀬)、チョウキン、メンナ(岡山)、カツオ(広島)、マナガタ(長崎・熊本)、フーイチャー(沖縄)

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分類学的位置付け

マナガツオ科。
カツオの仲間ではなく、イボダイの近縁種である。

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人間との関係

『大和本草』に「攝州泉州多シ京都ノ俗コレヲ以佳品トス」とあり、また『和漢三才図会』には「さしみにすると最もよい」とある。
『魚鑑』には「糟魚となし遠に贈る」と記されている。

中国では、マナガツオは薬用になる魚と考えられていた。
『本草綱目』によると、その肉は人を肥健にし、気力を増進させるが、卵巣には毒があり下痢を起こすという。
日本でも、五労七傷いっさいの衰弱を治し、腹中の虫を消し、穀食を進める魚であると『本朝食鑑』に述べられている。

マナガツオを古くから珍重してきた京都では、その料理法にも包丁人の技が見られる。背鰭の骨をつけたままの半身を使って、琴柱(ことじ)のような形の鱠(なます)をつくる技術は、ひとつの芸として京都に伝わる。

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形態

成魚の形質

体は体高が高く、菱形状を呈しており、よく側扁する。
背鰭は1基で7〜8棘40〜46軟条。臀鰭は5〜7棘38〜44軟条。腹鰭はない。背鰭と臀鰭は前縁が長く延び、後縁が湾入して鎌状になっている。
尾鰭の上葉、下葉は長く延び、後縁の中央部は深く湾入して切れ込む。
頭部後方に微細な波状のシワがあり、その後部は胸鰭基部上方を超える。口や鰓口は小さい。鱗は円鱗で小さく脱落しやすい。

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似ている種 (間違えやすい種)

コウライマナガツオ P. echinogaster とシナマナガツオ P. chinensis があり、よく似ている。
コウライマナガツオは、頭部後方にある微細な波状シワの後部が胸鰭基部上方を超えないことで本種と区別できる。
シナマナガツオは背鰭や臀鰭の前縁がマナガツオほど伸張せず、後縁が鎌状にならないこと、あるいは尾鰭の上・下葉が伸張しないことなどで区別できる。

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生態

生息環境

水深 200 m前後の大陸棚の砂泥底に生息する。

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食性

肉食で、クラゲ類やサルパ類などの大型プランクトンやアミ類、多毛類を捕食している。

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ライフサイクル

産卵期は春から夏で、瀬戸内海中部では7〜8月が産卵盛期である。
孵化直後の仔魚の大きさは全長 3 ㎜前後で細長く、腹部に楕円形の卵黄を持つ。胸鰭は大きい。全長 4 ㎜前後で卵黄をほぼ吸収する。
全長 6 ㎜前後から体高が増加し始める。仔稚魚は内湾浅場の砂泥底に生息する。
幼魚は秋頃に全長 5 ㎝前後に成長したのち、外洋へ移動する。雌は体長 25 ㎝前後、雄は 20 ㎝前後で成熟する。

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産卵

産卵は沿岸の水深 10〜20 m前後の岩礁域や砂泥底域の中層で行われる。
産卵期になると散乱群が沿岸に来遊し、河口域や汽水域にも出現する。産卵期が終わると沖合の深部へ戻っていく。

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関連情報

漁獲方法

刺網、曳網、定置網、建網などで漁獲される。日本のおもな産地は和歌山と瀬戸内海。
現在、漁獲量の多くは東シナ海の底曳網によるものである。

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味や食感

身に張りがあるもの、エラが鮮やかな赤い色のものを選ぶ。2 ㎏のものが最も美味。
肉はやわらかな白身で、クセがなく淡白な味である。
新鮮なものは刺身に、そのほか照り焼き、唐揚げ、煮付け、蒸し物などに向くが、味噌漬け焼きや幽庵焼きなどの漬け焼きが最適。なかでも西京漬けは絶品とされる。
また中骨を乾燥させて油で揚げたものは、おいしい酒の肴になる。

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種・分類一覧