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リュウグウノツカイ(Regalecus russelii)の分類 Regalecidae
リュウグウノツカイ(Regalecus russelii)の概要 Regalecus

リュウグウノツカイ(Regalecus russelii)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Regalecus russelii (Cuvier, 1816)

基本情報

大きさ・重さ

成魚全長:8 mに達するとされるが、日本では 5 mをこえるものは稀

参考文献

  • 瀬能宏 2018 リュウグウノツカイ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. p. 155.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

分布

北海道から九州、沖縄諸島の沿岸。国外では東太平洋、大西洋、南アフリカ、東インド洋、西太平洋。

日本における成魚の記録は北海道を含む全土に分布するが、小型個体の記録は本州中央部以南に限られる。

参考文献

  • 瀬能宏 2018 リュウグウノツカイ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. p. 155.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

人間との関係

漂着するとよく目立ち、ニュースになることもある。なお、リュウグウノツカイをはじめ深海魚が漂着すると地震が起きるとの言い伝えがあるが、深海魚の出現とその近傍での大地震の発生は必ずしも関連していない。

また、人魚の存在をヨーロッパに伝えた最初の書物である、ルイ・ルナールの『モルッカ諸島魚類彩色図譜』(1719年)には、人魚の項の解説にジュゴン捕獲時の観察記録がある。しかし、その絵はリュウグウノツカイをモデルにしていると考えられており、このことから、人魚のモデルがリュウグウノツカイあるいはジュゴンであると言われるようになった。

参考文献

  • 瀬能宏 2018 リュウグウノツカイ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. p. 155.
  • 望月賢二 2000 アカマンボウ目, 日高敏明(監修) 中坊徹次、望月賢二(編) 日本動物大百科6:魚類. 平凡社. pp. 69-71.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

形態

成魚の形質

体は著しく細長く、体長は体高の17~24倍ある。体表は滑らかで鱗はない。背鰭前部の6棘(5+1棘)は太く、著しく延長する。腹鰭は1条で延長し、途中に膜質の付属物が3か所以上ある。臀鰭は無く、尾鰭は小さい。肛門の位置は背鰭第67軟条の直下である。

参考文献

  • 林公義 2013 リュウグウノツカイ科, 中坊徹次(編) 日本産魚類検索. 東海大学出版会. p. 480.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

稚魚・仔魚・幼魚の形質

リュウグウノツカイ幼魚は既知のアカマンボウ目仔魚にくらべて体形が著しく細長く、推定される完成背鰭条数は著しく多い。また、尾鰭条数はわずか4本である。(沖山・瀬能, 2014, 392-393)

全長 15~30 ㎝では背鰭前部と尾鰭の鰭条が糸状に伸長する。これはクラゲ類への擬態と考えられている。(瀬能, 2018, 155)

参考文献

  • 瀬能宏 2018 リュウグウノツカイ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. p. 155.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

生態

生息環境

沖合から外洋のおもに水深数百mの中層。

参考文献

  • 望月賢二 2000 リュウグウノツカイ科, 日高敏明(監修) 中坊徹次、望月賢二(編) 日本動物大百科6:魚類. 平凡社. p. 71.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

食性

歯はないが口を伸ばして動物プランクトンを吸引して食べる。

参考文献

  • 瀬能宏 2018 リュウグウノツカイ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. p. 155.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

特徴的な行動

尾鰭が水平軸になる斜めの姿勢で体をまっすぐに伸ばし、背鰭を波打たせて前方へ泳ぐ。

参考文献

  • 瀬能宏 2018 リュウグウノツカイ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. p. 155.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

その他生態

成魚の尾部は著しく切れやすく、わずかな力をかけただけで簡単に切断される。尾部の後方が欠損し、傷口が再生している個体が多いので自切の機能があると考える研究者もいる。

参考文献

  • 瀬能宏 2018 リュウグウノツカイ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. p. 155.

最終更新日:2020-08-21 ひろりこん

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