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Paramisgurnus dabryanusの分類 Cobitidae
Paramisgurnus dabryanusの概要 Paramisgurnus

Paramisgurnus dabryanus

【 学名 】
Paramisgurnus dabryanus Dabry de Thiersant, 1872

基本情報

大きさ・重さ

体長:100~200 mm

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

分布

国外外来種として、本州、四国、九州に定着:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県、山口県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、大分県。

原産地は朝鮮半島と中国大陸中南部からベトナム北部、台湾である。

参考文献

  • 中島敦 2018 カラドジョウ(ドジョウ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 111.
  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:ヒラドジョウ(島根県)

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

分類学的位置付け

コイ目 ドジョウ科 ドジョウ属

参考文献

  • 中島敦 2018 カラドジョウ(ドジョウ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 111.
  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

人間との関係

朝鮮半島から中国大陸中南部が原産の国外外来種である。

国内では1960年代から記録があり、食用に輸入されたドジョウに混ざって持ち込まれ、放流行為により定着したと考えられる。恐らく国内には原産地の異なる複数の系統が侵入しており、地域によって模様や体型に違いがある。本種は分枝系統学的にはヨーロッパに分布する M. fossilis やアムール川水系に分布する M. nikolsky と同じグループに属する。本種の属名として Paramisgurnus とは遺伝的にまったく異なる系統のカラドジョウが報告されており、その正体については現在のところ不明である。

本種の外来種としての生態系影響については定かではないが、本種とドジョウの交雑個体は生存性でその個体が成熟した報告があること、本種の胃内容物からゲンゴロウ類幼虫が発見された事例があることから、在来ドジョウとの交雑や無脊椎動物への捕食による影響に注意する必要がある。

食材としてドジョウと同様に用いられる。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

各鰭の条数は、背鰭棘状軟条3、背鰭分枝軟条6~7、臀鰭棘状軟条3、臀鰭分枝軟条5~6、胸鰭棘状軟条1、胸鰭分枝軟条8~12、腹鰭棘状軟条2、腹鰭分枝軟条5~6、尾鰭6~8+6~8.縦列鱗数は約110~140である。

体形は側扁しやや太短く、5対の口ひげを有する。口ひげは長く、第2口ひげ長は眼径の約4~5倍。尾鰭後縁は丸いが、中央が突出する個体もいる。尾柄の膜鰭部がよく発達し、尾柄が高い。

体側には目立つ斑紋がない集団と、明瞭な斑紋が多くある集団がある。尾鰭付け根の上部には不明瞭な暗色斑がある個体と、ない個体がいる。頭部や体側部には金属光沢を有する個体が多い。

雄胸鰭の骨質盤は大きく、体側に沿って棒状に伸び、その後端は角張り鋸歯状になる。2倍体性種で、染色体数は2n=48。

日本に産するほかのドジョウ属魚類と比べて、口ひげが明らかに長いこと、体はよく側扁し体高が高いこと、尾柄の膜鰭部がよく発達すること、雄胸鰭の骨質盤が棒状であることから、区別は容易である。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

生態

生息環境

河川敷の湿地や、農業用水路、水田、池沼などの植物が豊富で流れがない泥底の環境に生息する。浅い湿地環境に多い。

国内における本種の生活史については不明な点が多いが、群馬県利根川水系の水路における調査では季節的に移動をする可能性が示唆されている。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

産卵

原産地の1つである韓国での繁殖期は4~6月で、水温が20℃を超えた頃に小溝や水田、浅い湿地などで産卵することが知られている。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

関連情報

その他

岐阜県内では2011年に岐阜市と羽島市で多数の個体が定着していることが確認された(向井ほか, 2011b)。その後、岐阜県博物館のサポーター活動による収蔵標本の整理作業によって、1988年に笠松町の新トンボ池で採集された標本(GPM-Z 19439)も確認された。

また、近年は多治見市でも採集されている。愛知県では、条例で野外への放流が禁止されている。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2021-03-09 ハリリセンボン

種・分類一覧