- 解説一覧
- ハコフグ科(Ostraciidae)について
基本情報
- 大きさ・重さ
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成魚全長:体長 30 ㎝以下。テングハコフグのみは 30 ㎝以上になる。
参考文献
- 松浦啓一 2000 ハコフグ科, 日高敏明(監修) 中坊徹次、望月賢二(編) 日本動物大百科6:魚類. 平凡社. p. 193.
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 分布
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本州中部以南。インド洋、太平洋、大西洋の温帯~熱帯の浅海。多くの種は熱帯にすむ。
参考文献
- 松浦啓一 2000 ハコフグ科, 日高敏明(監修) 中坊徹次、望月賢二(編) 日本動物大百科6:魚類. 平凡社. p. 193.
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 分類学的位置付け
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進化の過程においてフグ目魚類が左右の腰骨を癒合させる前段階でハコフグ科の祖先が分化したと考えられている。
参考文献
- 萩原清司 2018 ハコフグ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. pp. 474-475.
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
形態
- 成魚の形質
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体の大半が六角形の小さな板状体が組み合わさった甲に被われ、口、背鰭、臀鰭、胸鰭、尾部のみが可動。甲は、背部中央、背部両側、腹部両側などに隆起線を有するが、腹中線上に隆起はなく、横断面は三~五角形。尾柄部に独立した板状体がない。
歯は癒合せず、両顎に各10本前後が1列に並ぶ。腹鰭や背鰭棘はない。甲の隆起線のうち、腹部両側の隆起線は腰骨のなごりとされる。
参考文献
- 萩原清司 2018 ハコフグ科, 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z 日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~. 小学館. pp. 474-475.
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 稚魚・仔魚・幼魚の形質
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西部太平洋のハコフグ科の仔稚魚についてはクロハコフグ Ostracion meleagris 、ウミスズメ Lactoria diaphana 、シマウミスズメ L. fornasini の報告がある。
卵発生上の顕著な特徴は発生後期に頭胴部と卵黄を包む皮嚢が形成されることである。胸鰭と口も出現する。黒色素胞が出現するがその分布は発生卵の査定形質として有効である。
孵化仔魚の体長範囲は 2.0~2.3 ㎜で頭胴部と卵黄は皮嚢を被っているが、尾部は皮嚢から露出し細長く普通の仔魚のように仔魚膜鰭がある。3種とも仔魚後期に背・臀鰭の鰭条が定数となる時期に背・臀鰭の基底部と尾柄部を除く全身に板状鱗の原基が出現し甲板の形成がはじまる。コンゴウフグ属では板状鱗の裏面に星状構造があるが、ハコフグ属にはない。甲板形成中に尾柄部が著しく短くなる。
ハコフグ属では甲板の棘突起が全く出現しないが、コンゴウフグ属では甲板に眼前棘、背隆起棘、腰骨隆起棘が出現する。棘の出現はウミスズメでは背索後端の上屈中に、シマウミスズメは稚魚期の初期である。
各鰭の形成はP₁→A→D→Cの順に進むが、フグ目の他科魚類に比較して本科では、鰭条の出現は臀鰭が背鰭よりやや早いこと尾鰭鰭条の出現と背索後端の上屈が遅く尾鰭の完成が遅れることが特徴的である。
大西洋のハコフグ科については、 Acanthostracion quadricornis 、 Lactophrys trigonus および Lactophrys triqueter の仔稚魚に関する報告がある。
参考文献
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 卵の形質
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報告されている種は限られているが、クロハコフグ Ostracion meleagris 、ウミスズメ Lactoria diaphana 、シマウミスズメ L. fornasini に関しては卵はいずれも無色透明の卵形の多油球分離浮性卵で長軸の一端に卵門があり、その周辺に小突起が叢生している。囲卵腔は狭く卵黄に特殊構造はない。卵径の範囲は長径 1.8 ㎜前後、短径 1.6~1.7 ㎜で油球数は3~20個である。
参考文献
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
生態
- 生殖行動
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シマウミスズメはハレムをつくる。
参考文献
- 松浦啓一 2000 ハコフグ科, 日高敏明(監修) 中坊徹次、望月賢二(編) 日本動物大百科6:魚類. 平凡社. p. 193.
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん
- 産卵
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雌雄がペアで分離浮性卵を産む種が知られている。
参考文献
- 松浦啓一 2000 ハコフグ科, 日高敏明(監修) 中坊徹次、望月賢二(編) 日本動物大百科6:魚類. 平凡社. p. 193.
最終更新日:2020-08-21 ひろりこん