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アオリイカ(Sepioteuthis lessoniana)の分類 Loliginidae
アオリイカ(Sepioteuthis lessoniana)の概要 Sepioteuthis

アオリイカ(Sepioteuthis lessoniana)

情報不足種 (DD)

【IUCN】評価するだけの情報が不足している種

【 学名 】
Sepioteuthis lessoniana d'Orbigny, 1826

基本情報

大きさ・重さ

・外套長:35 ㎝
・重さ:2 ㎏

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最終更新日:2020-09-29 En

分布

北海道以南の日本沿岸から、インド・太平洋域にかけての暖海に分布する。とくに九州沿岸から沖縄に多い。

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和名の解説

①半円形のひれをあおって泳ぐさまから。
②体の両側のひれを馬具の障泥(あおり)に見立てた。

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別名・方言名

アオイカ/バショウイカ(静岡)、アキイカ(京都)

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人間との関係

『類船集』に「あふり烏賊は色もかはる」とある。
丹後地方の港町ではアキイカと呼ぶ。秋に大きく成長したものを開き、ひと塩するめにするのだが、それを家々の軒に吊るす風景は秋の風物詩となっている。

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形態

成体の形質

外套膜は幅の広い円錐形。ひれが外套膜のほとんど全長に沿って存在するため、外形は楕円形に見える。コウイカ類によく似ているが、外套膜内に石灰質の貝殻はなく、ヤリイカやケンサキイカと同じジンドウイカ科に属する。
眼は閉眼型。軟甲は幅広い。腕の吸盤は2列。吸盤の角質環には、三角形の歯が20個前後存在する。触腕は外套長の1〜1.5倍程度の長さで、吸盤には鋭い歯が14〜23個ある。
雄の左第4腕は先端に吸盤がなく、交接腕となっている。
外套膜背側には淡色の横縞が走り、雄では顕著。

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卵の形質

長径 10 ㎜前後の楕円形。長さ 60〜90 ㎜、太さ 10〜15 ㎜の寒天質の卵嚢に入った状態で産み出される。1つの卵嚢には、平均5個の卵が入っている。

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生態

生息環境

冬には沖の大陸棚縁辺部にいるが、5〜8月を中心とした産卵期には沿岸の浅い岩礁域に移動する。

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食性

魚類、エビ類を捕食する。

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ライフサイクル

産卵盛期は春から夏。相模湾では5月前後、若狭湾では5〜8月、沖縄では2〜10月に産卵される。
孵化稚仔の外套長は 4.5〜7 ㎜で、黄色、赤褐色など多くの色素胞をもつ。また、親と異なり稚仔のひれは小さく、外套膜の後端に位置する。
孵化直後から活発に遊泳し、沿岸の藻場に多く分布する。孵化後1ヶ月で外套長 30 ㎜、2ヶ月で 55 ㎜、3ヶ月で 75 ㎜に成長する。生後1年で外套長 35 ㎝前後に成長し、成熟する。
雌よりも雄の方が大型になる。寿命は1年、産卵後にほとんどが死亡する。

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産卵

雌は卵嚢を他物に付着させる。複数の卵嚢は、房状の卵嚢塊となる。
産卵場所は沿岸の岩礁帯や藻場で、水深 10 m以浅。ホンダワラ類などの海藻や海底に沈んだ木の枝、イソバナなどの腔腸動物にも卵嚢塊を産み付ける。また、砂泥底に設置された人工魚礁などにも好んで産み付ける。
好ましい産卵場が見つかると、複数の雌が順次産み足していくため、結果的に大きな卵嚢塊が出来上がる。
多回産卵で、1回の産卵では卵数153〜2000粒。卵嚢にして30〜400袋前後を産む。

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関連情報

漁獲方法

釣りで漁獲される。また、沿岸近くの藻場で産卵することから、粗朶(そだ)を海中に沈め、産卵のために集まってきたアオリイカを漁獲する「イカ柴漁」が知られている。

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味や食感

イカ類の旨みは、何種類かのアミノ酸とAMP(アデノシン1リン酸・核酸関連物質)、糖類などが関連している。アオリイカには、旨み成分にかかわるエキス分の成分のうち、アミノ酸のグリシンが多く、甘みとして感じる。ケンサキイカの成分もアオリイカに似ており、甘みがある。
これに対し、コウイカ、スルメイカ、ヤリイカにはグリシンが含まれないので、甘みはあまり感じられない。ただし、プロリンやタウリンが多量に含まれ、旨みを強く感じる。プロリンは、醤油に含まれるアミノ酸によってさらに味が引き立つ。

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種・分類一覧