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マテガイ(Solen strictus)の分類 Solenidae
マテガイ(Solen strictus)の概要 Solen

マテガイ(Solen strictus)

絶滅の恐れのある地域個体群 (LP)

【環境省】地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの

【 学名 】
Solen strictus Gould, 1861

基本情報

大きさ・重さ

・殻長:12 ㎝
・殻高:1.6 ㎝
・殻幅:1.2 ㎝

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最終更新日:2020-08-29 En

分布

北海道南部から九州までの日本各地および朝鮮半島、台湾、中国沿岸に分布する。

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和名の解説

「マテ」は古語の「真手」で、両手のこと。
殻の両端から足と水管を出しているのが、左右の手のように見えることから。

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別名・方言名

アチ、カミソリガイ(混称)、イテ、マテノカイ

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人間との関係

季題は<春>
「足もとに 来てゐる波や 馬刀を掘る 岡田耿陽」
「大馬刀の 長き身をひく 速さかな 佐々木魚風」
「ひたひたと 潮引く風に 馬刀を突く 金子波龍」

『大和本草』には「マテノ類多シ筑後ニアゲマキト云物アリマテニ似タリ」とアゲマキガイついての記述があり、『和漢三才図会』に「肉は蠣に似ていて細長い」とある。
『魚鑑』にも「冷痢を調ふ」とある。

『延喜式』によると、伊勢国と備前国がマテを雑薬として朝廷へ献上したという。当時、マテガイは薬効があると信じられ、薬として食べられていたのであろう。

「マテ突き」というのは、長いかぎ針を束ねた矢形の金棒を穴に突き刺して貝をとる方法である。潮干狩りではマテガイの習性を利用し、穴に塩を入れて飛び出たところを捕まえる。

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形態

成体の形質

二枚貝。貝殻は細長い長方形。背縁と腹縁はほぼ並行に長く延び、前後端は開いている。前縁は斜め下方へ裁断されたようである。殻頂は前端にあり、突出しない。その下に牙状の歯がある。
殻質は薄い。殻の内外面は白色で、表裏は淡黄褐色の殻皮で覆われる。

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生態

生息環境

内海、内湾の潮間帯の砂泥底に、深く潜って棲む。
潮が引く干潮時には砂の中に潜っているが、潮が満ちると海底近くに上がり水管を海底上に突き出す。

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食性

海中を浮遊する植物プランクトンや有機懸濁物を海水と一緒に吸い込んで食べる。

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ライフサイクル

産卵期は春から初夏で、5〜6月が産卵盛期。
浮遊幼生は長径 26〜28 μm、短径 20〜22 μmの楕円形であるが、底生移行期には貝殻が伸張して成体と同じように細長くなる。

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特徴的な行動

砂に潜るときは、貝殻の前端から足を突き出し、砂の中に差し込む。そして、足の先端に血液を集めて膨らませ、それを錨にして貝殻を砂中に引き込んでいく。
砂中で上下に移動するときは、血液を集めて膨らませた足で砂を蹴り、貝殻を押し上げる。
また、入水管から吸い込んだ水を足と外套膜の間から勢いよく吹き出すことによって、短距離を遊泳することができる。

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関連情報

味や食感

肉は柔らかくて美味。そのまま生で食べたり、茹でてアク抜きしてから酢味噌和えなどにする。そのほか塩焼き、煮付け、炊き込みご飯にしても独特の風味が楽しめる。

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種・分類一覧