Babylonia japonicaの解説トップに戻る
Babylonia japonicaの分類 Babyloniidae
Babylonia japonicaの概要 Babylonia

Babylonia japonica

準絶滅危惧種 (NT)

【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Babylonia japonica (Reeve, 1842)

基本情報

大きさ・重さ

・殻高:7 ㎝
・殻径:4 ㎝

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

和名の解説

『字鏡集』に「螺ガイ」とあり、これに貝の字をあてて音読みしたものか。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

別名・方言名

シマバイ(混称)、アズキバイ

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

人間との関係

殻は貝笛などの貝細工の材料に、また「貝独楽(ばいごま・べいごま)」などもつくられる。
『魚鑑』に「海産にして、春夏の際に多し、殻はたにしに似て、色黒く、状円く長し、旋文あり」とある。
また『和漢三才図会』にも「色・形は田螺に似ていて硬く、田螺より大きい」とある。

商家では、バイの読みから家財が千倍、万倍になるとの意味を込めて、大晦日や正月に酒の肴として食した。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

形態

成体の形質

巻貝。殻は長卵形で硬い。螺層は8階を数える。殻表は平滑で、各層は円みを帯びる。
殻口は卵形で広く、その下部にある水管溝は、背側にまで深く切れ込む。殻口の周縁は多少厚く、内側上部にはひだがある。
蓋は楕円形で革質、濃褐色を呈する。殻の内側は光沢があり、なめらか。
殻表面は淡紫色で、縫合部の下やその周囲を中心に紫褐色の斑紋が散在する。
生時は、厚い黄褐色の殻皮を被っている。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

卵の形質

受精卵は直径 0.5 ㎜前後。7〜8 ㎜×9 ㎜の方形で、寒天質の卵嚢に含まれて産出される。1つの卵嚢には40個前後の卵が含まれている。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

生態

生息環境

水深 50 m以浅の内湾や外洋に面した浅海域に生息し、潮間帯から水深 20 mまでに多い。通常は海底の砂泥中に潜り、水管だけを海面上に出して生息する。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

食性

肉食性で、稚貝は小型多毛類や小型甲殻類の生体や屍肉を食べる。成長するにしたがって、魚類や軟体類、甲殻類など、より大型動物の屍肉を食べるようになる。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

ライフサイクル

産卵期は初夏から夏(6〜8月)で、水温19〜28℃の間に産卵する。
産卵から孵化するまでの期間は10〜20日で、0.8〜0.9 ㎜のベリジャー(Veliger)幼生で孵化する。孵化後の幼生は2〜3日間浮遊生活をしたのちに底生生活に移行する。
着底直後の稚貝の殻長は、0.8〜1 ㎜ 。生後1年で殻長 3〜4 ㎜、2年で 5〜6 ㎜、3年で 6〜7 ㎝、4年で 7〜8 ㎝に成長する。殻長 5〜6 ㎝から成熟し始める。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

生殖行動

産卵に先立ち、雄は雌の上に乗り交尾行動を行う。雌は受精嚢に精子を蓄え、産卵時に受精させる。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

関連情報

漁獲方法

死んだ魚介類を餌にした籠漁法で漁獲されている。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

味や食感

春から夏にかけてが食べ頃。酢の物や和え物、煮付けにする。塩茹でや串焼きなどにしたり、すまし汁や味噌汁、おでんや鍋物の具にもする。
ぬめりが出ているものは鮮度が落ちており、まずい。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

その他

標準和名のバイは本種を指すが、市場名としてのバイは、バイと同じエゾバイ科のエッチュウバイ、オオエッチュウバイなど多数種を含む。
エッチュウバイのグループは、富山県など日本海側で多く水揚げされる。美味なことで知られ、とくにオオエッチュウバイは高値で取引される。

参考文献

最終更新日:2020-09-29 En

種・分類一覧